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トイレ工事 2

遊佐町内某宅のトイレ工事です。前回(10/19記事)の件とほぼ同様の工事内容で、和式便器を洋式に替えるというのが基本です。ただ既存のタイル張の床を除去してみたところ、周囲の土台がかなり痛んでおり、そこに新たな床組を付設するのは心配なので、独立した床組とするために床下全面にコンクリートを打ってもらいました。こうすれば新しい床や便器・使用する人などの荷重が、既存の建物に直接はかからないようにできます。

打設したコンクリートの床に、ヒノキの角材をコンクリート用ビスで固定し、その上に45×59mmのヒノキの根太をステンレスのコーススレッドで止めて、約300mmピッチで敷き並べていきます。コンクリートの床は不陸(ふろく=水平面でないこと)があるので、レーザーマーカーを使って1mm単位のプラスマイナス調整を行います。根太ができたらその上に12mm厚さの耐水性合板(いわゆるコンパネ)を、根太にステンレスビスで固定していきます。合板の接合面の下にも必ず受け材を入れます。

トイレのリフォームで普通はここまで厳密な工事をすることはないと思いますが、私は無垢材100%の注文家具の製作者ですし、住宅程度の木造建築の設計や施工も行うので、お客さんからの要望以前に自分自身が納得できるところまでやらないと気持ちがわるいです。

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写真は新しい便器も据え付けが終わり実際に使い始めているところ。壁のタイルは以前のものをそのまま残していますし、便器や床仕上げのクッションフロアの色柄などはみなお客さまが選んだものです。

 

右巻き

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布団で寝るトント。前回(10/21)は左巻きでしたが、今回は右巻きです。じつにみごとに「のの字」を描いていますね。

黄緑色の首輪が見えていますが、ロフトに駆け上って、そこに置いてあるザックやらなにやらの隙間を出入りする際などにセーフティ式の首輪のロックが外れてしまうらしく、それを機会にしてときどき別のに交換。2匹の猫に計7本の首輪があって、ささやかな着替え(?)を楽しんでいます。

 

キハダのキルテッド+スポルト

先日、某材木屋さんの倉庫でとんでもなく変わった杢の板を見つけました。基本的にはキハダ(黄檗)のキルテッド(しわ杢)なのですが、半分くらいにさらに黒い筋が加わっています。筋は年輪にそって入ってるようなので、黒柿の黒い斑紋とは趣が異なりますが、まるでゼブラウッドみたいです。いやゼブラ以上にはっきりくっきりした縞模様。これはキハダの「キルテッド+スポルト」という二重の変わり杢で、私は初めて見ましたし、これまで話にきいたこともありません。驚きました。

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なんでも立ち枯れ状態のキハダの大木だったらしく、雨風に打たれて導管にバクテリアかなにかが入り込んだのかもしれません。そのままずっと放っておけばおそらく腐ってしまったのでしょうが、さいわいぐずぐずになる前に人の手で伐採され製材されて板材として商品化されたというわけです。

じつはその日は大工仕事に使う材木を注文しそれを取りに行ったのですが、ついでにと見せてもらった倉庫の片隅に数枚立てかけてありました。値段的にも私の感覚ではお買い得(=もののわりには安い)と思われたので、建築材の支払の後に財布に残っていたお金で買ってしまいました。こういう超変わり杢の木材はまったく一期一会で、この機会をのがしたらもう二度と出会うことはないでしょうし、仮にあったとしてもこんどは私が買えるような値段ではおそらくないと思います。

材料の大きさは厚さが45mm、幅は約400mmの二股、長さは約1.5mです。サイズがあるので、全体像だけでなくとくにおもしろい部分のアップも披露しましょう。

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オモテナシニハ、ウラガアル

徳島県美術展で県知事賞=最優秀賞を得た四十宮隆志さんの作品「オモテナシニハ、ウラガアル」と、特選の安友理利子さんの作品「人類の選択」です。写真はツイッターからの転載なので不鮮明なところはありますが、意図はじゅうぶん伝わるかと思います。

とくに上の作品「オモテナシニハ、ウラガアル」は言うまでもなく2020年の東京オリンピック招致で喧伝された「おもてなし」ということばへの強烈な風刺になっており、よくこれが選ばれたものだと感心します。作者も選者も、そして徳島県もじつにあっぱれです。

私は2020年東京オリンピックには大反対です。オリンピックという一大商業イベント自体にもそもそも疑問をいだいていますが、とりわけ現在の日本は原発事故がいまだ進行中であり、放射能汚染による被曝問題もまったく未解決の状態。こんななかで国際スポーツ大会開催などありえないと思います。経済的にも、そういう一時的なお祭りと、それにかこつけた土建工事のために莫大なお金(関連経費も入れると10〜20兆円とか)を費やすような余裕があるはずがないでしょう。

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近所の新築住宅

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自宅のすぐ近くに最近あいついで新築となった住宅が2軒。まったく別々のハウスメーカーですが、イメージ的にはよく似ているような……。我が家とはコンセプト(設計思想)がかなり異なりますので、コメントはなしとします。

 

クルミ材収納

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一昨日(11月1日)の記事に書いたように、27mm厚のクルミ材は検品・検寸が終わったので、工房内の材料置き場のスペース(約11坪)の一画に納めました。写真はそのようすですが、約3坪のこの空間部分は8割くらいがクルミ材で占められています。

厚さは今回の27mmをはじめ、33mm・36mm・40mm・47mm・60mmといったところです。ここにあるのは長さ2.3m以下のもので、もっと長いクルミ材や、15mm厚の薄板と73mm・82mm・それ以上の厚板はまた別の場所に保管しています。

当工房の場合、広葉樹でいちばん使用量が多いのがクルミで、次がタモ(ヤチダモ)です。あとはぐっと下がってクリ、セン、ヤマザクラ、サワグルミ、カツラ、キハダ、イタヤカエデ、トチ、ケヤキ、ホオ、ナラ、エンジュ、クロガキなど。外国産ではウォールナット、チェリー、ヨーロピアンビーチ、チークなどですが、クルミやタモにくらべれば微々たるものです。

樹種をあまり増やすと仕入れや在庫管理がたいへんです。同じ種類であっても厚さの違いや、板目&柾目の違いなどもそろえるとたちまち50種類以上になってしまいます(希少珍重材や銘木材はのぞいて)。以前はもっと多かったのですが、今はできるだけ樹種や在庫量を絞り込むようにしています。

 

27mm厚クルミ材入荷

お客様からの注文で、年内くらいの予定で戸棚や飾棚・ワゴン等を製作するのですが、材料のクルミ(オニグルミ)が手持ちのものでは厚すぎたり薄すぎたり。それで秋田県の業者から27mm厚のクルミ板を多数仕入れました。枚数は54枚で、材積は約0.6m^3あります。1パレットの半分ほどです。

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DSCN1266_2業者から材料の明細表を ファックスしてもらってはいますが、使用する側の観点であらためて検品して台帳に記入します。1枚ずつ厚み・幅・長さを実測しておおよその等級とシリアルナンバー(通し番号)をつけ、材木自体にも裏・表・両木口と計4カ所にそれを油性マーカーで記入します。こうしておけば材料置場に積み上げた状態で在庫のチェックができますし、使った材料の「実際の」消費量を正確に把握することができます。

とはいえ、基本的に耳付きの材料で不定形・不定寸法のため、これだけの枚数をチェックし、材料置場に納めるのに半日以上かかってしまいます。写真は検寸の終わった状態ですが、ここまでで正味4時間もかかってしまいました。結果、材木屋さんの出荷伝票では材積0.6126m^3とありますが、こちらで計測したものを合計するとそれの72%ほど、0.4428m^3しかありません。

これは向こうの誤りではなく、また言うまでもありませんが量を意図的にごまかしているわけではありません。一般的な傾向としての、売買しようとする材料に対し「売る側は量を多めに、買う側は量を少なめにみなす」ためだけでなく、耳付きの不定形の板の場合はその材料を何にどこまでどのように使用するつもりでいるかによって有効な数量がちがってくるからです。

当工房では原則的には材木の樹皮に近い白太(しらた)部分は製品には使いません。赤味の部分に比べると強度や耐久性が劣るからです。また白太は伐採・製材・乾燥の過程で変色や虫食いが入ることも珍しくありません。ところがクルミはとくに小径木の場合は白太の占める割合が他の樹種より大きく、最悪では板の半分が白太ということもあります。木裏は赤味のなのに、木表側は全部白というようなケースです。

ただ昔とちがって今は天然乾燥(自然乾燥)を何年も行うのではなく、むしろできるだけそれは短期間にとどめ、あとは人工乾燥機で仕上げるという手法が普通になっています。回転効率を高めるためと、天然乾燥の間の変色・腐れ・虫食い等のダメージを最小限にするためです。今回のクルミ板も白太の変色などはほとんどみられず、白いきれいな状態です。これであれば特別に強度や精度を必要としない製品や部材でなら白太でもとくに問題はないかもしれません。

しかし今回は従来どおりに基本的に白太をほぼ除いた状態で幅寸法を測っています。長さについては両木口の明らかに使えない部分はみなカットしました。業者のほうは白太も赤味も関係なくまるごと計っているので(長さはわりあい辛口でみていましたが)、その差が総材積のちがいとなって大きく出たというわけです。

 

胴腹ノ滝の紅葉

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胴腹ノ滝の標高は約250mくらいですが、紅葉が始まっています。滝の周囲は植林されたスギが多いので、最盛期でもそれほどみごとな「紅葉の森と滝」の景観にはなりません。もともとの林は種々の落葉広葉樹を主体とし、一部に針葉樹や常緑広葉樹が混じる、いわゆる典型的な雑木林であり里山だったでしょう。もし滝の周辺だけでも自然林のままに保存されていたならば、胴腹ノ滝は今以上に脚光を浴びることになったにちがいありませんね。かえすがえすも残念です。

さて10月10・21・30日の各地点の水温と気温です(単位℃ 10日分は再掲)。
胴腹ノ滝の右側(湧水)  8.9   8.8   8.8
胴腹ノ滝の左側(湧水)  8.9   8.8   8.8
鳥居の前の表流水    11.6  11.2  10.6
胴腹ノ滝の前の気温   17.1  17.6  13.1
鳥居の前の気温     16.9  16.4  13.8

滝の水量は、10日はその前の9月30日にくらべ少し減ったのですが、その後の21日にはわずかに増え、30日にはまたすこし減って10日とほぼ同じになりました。雨天の日が続くとその影響を受けてどうしても水量が増える傾向があります。ただこれは何度も言ってきたことですが、水温の変化は水量とは連動しないので、雨水が直接的に短期間のうちに湧水となって表れているわけではないと考えられます。

馬の絵

自宅のトイレの壁に、1ヶ月交代くらいで子供が描いた絵を飾っています。A4サイズの額縁は市販の安価なものですが、壁が左官材料の石灰のコテ塗りのオフホワイトで、トイレとしては比較的広く明るいので、絵が映えるように感じます。

さて今回の絵は馬をスケッチしたものです。親ばかを承知でいいますが、小学校2年生の絵としてはなかなかのものではないでしょうかね。雰囲気はよく出ていると思います。

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ヒノキの薄板

大工仕事でヒノキの角材を使ったので、その余分で薄板を作りました。厚さは1.1mm、1.3mm、1.5mm、2.1mmです。昇降盤に装着した縦挽用の鋸刃で45mm厚の角材を切断しただけなので、厚みに0.05mmくらいの誤差があります。丸い穴は壁に常時ぶら下げておいて、必要なときにすぐに使えるようにするためのものです。

こうした薄板は、家具などの製品そのものに使用することはまずないのですが、大工仕事での下地の調整であるとか、工房での作業用になにかと重宝します。いざ作るとなると意外に面倒なので、機会をみてまとめて作っておきました。

それにしてもヒノキは刃物の通りが非常にいいですね。材全体に油分を薄く均等に含んでいるせいか、ナイフマークもほとんど見えないくらいにすみやかにきれいに切ることができます。鉋がけなどをすると急に自分の腕が上がったように錯覚してしまうかもしれません。

ヒノキは古来より寺社仏閣の建築や器具・調度品などの材料として重視されてきましたが、それは水湿に強く耐候性があり、比重のわりに強度も高いなどの特長だけでなく、加工するときに刃の通りがとてもスムーズなので作業が楽だというのも大きいと思います。宮大工さんなんかは、なかなかそれを正直には言いませんが。

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