大工仕事でヒノキの角材を使ったので、その余分で薄板を作りました。厚さは1.1mm、1.3mm、1.5mm、2.1mmです。昇降盤に装着した縦挽用の鋸刃で45mm厚の角材を切断しただけなので、厚みに0.05mmくらいの誤差があります。丸い穴は壁に常時ぶら下げておいて、必要なときにすぐに使えるようにするためのものです。
こうした薄板は、家具などの製品そのものに使用することはまずないのですが、大工仕事での下地の調整であるとか、工房での作業用になにかと重宝します。いざ作るとなると意外に面倒なので、機会をみてまとめて作っておきました。
それにしてもヒノキは刃物の通りが非常にいいですね。材全体に油分を薄く均等に含んでいるせいか、ナイフマークもほとんど見えないくらいにすみやかにきれいに切ることができます。鉋がけなどをすると急に自分の腕が上がったように錯覚してしまうかもしれません。
ヒノキは古来より寺社仏閣の建築や器具・調度品などの材料として重視されてきましたが、それは水湿に強く耐候性があり、比重のわりに強度も高いなどの特長だけでなく、加工するときに刃の通りがとてもスムーズなので作業が楽だというのも大きいと思います。宮大工さんなんかは、なかなかそれを正直には言いませんが。