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経ケ蔵山 十二ノ滝コース 1

 

勤務先によっては大連休(ゴールデンウィーク)の始まりにあたるかもしれませんが、4月27日は通常の日曜日で当工房も休日ということで、経ケ蔵山に登ってきました。 酒田市の旧平田町、出羽山地の前衛というべき山で、標高こそ474mにすぎませんが、急峻な山容とすばらしい眺望、そして自然林の多種多様な草木の花を楽しむことができます。

コースは北面と南西面の二通りあるのですが、丸3年ぶりとなる北側の「十二ノ滝コース」を選びました。そのときはまだ保育園の息子を連れてのハイキングでしたが、今回は私だけの単独行です。 天気も快晴で日曜日とあってわりあい人出があるかなと心配していたのですが、南西側の円能寺コースから登ってきたらしい人計7名と犬一匹(!)と頂上で出会っただけで、北側のコースでは誰とも出会うことはありませんでした。私は自然に接するために山に出かけるのであって他者と出会を目的とはしていません。やたらとほかの登山者やハイカーに話かけられることも大の苦手です。それが今回はほとんどずっとひとりきりでしたので、心ゆくまで山の自然を味わうことができました。休憩や撮影等も含めて4時間の山行です。

じつにたくさんの花が咲いていたのですが、私自身の備忘録も兼ねているので、以下に五十音順に名前をあげてみます。青色のものは下に写真もアップしています。⇒イワウチワエゾエンゴサクエンレイソウオオサワハコベオオバキスミレ、オオバクロモジ、オオミスミソウ、オオヤマザクラ、オクチョウジザクラカタクリ、キクザキイチゲ、キバナイカリソウ、クルマバソウ(蕾)、ケナシヤブデマリ、コミヤマカタバミコンロンソウショウジョウバカマスミレサイシンタムシバ、ツクバネソウ(蕾)、ニリンソウハウチワカエデヒトリシズカミツバツチグリミヤマキケマンミヤマスミレモミジイチゴヤマエンゴサク、ヤマツツジ、ユキザサ(蕾)、ユキツバキ。以上31種。

もちろんもっと多くの花が咲いていたと思いますが、樹木やイネ科カヤツリグサ科などは私はよくわからないので割愛します。また写真に付した種名ももしかすると間違っているかもしれませんが、その際はどうかご指摘願います。

DSCN2040_2 イワウチワ(イワウメ科)

DSCN2125_2 エゾエンゴサク(ケシ科)

DSCN2016_2 ヤマエンゴサク(ケシ科)

DSCN2006_2 ミヤマキケマン(ケシ科)

DSCN2093_2 手前はエンレイソウ(ユリ科)、後の群落はニリンソウ(キンポウゲ科)

DSCN2090_2 カタクリ(ユリ科) 斑紋のある葉と無地の葉と

DSCN2051_2 ショウジョウバカマ(ユリ科)

DSCN2085_2オオミスミソウ(キンポウゲ科) 他にピンク色のもありました

DSCN2017_2 オオサワハコベ(ナデシコ科)

DSCN2100_2 オオバキスミレ(スミレ科)

DSCN2032_2 スミレサイシン(スミレ科)

DSCN2126_2 ミヤマスミレ(スミレ科)

DSCN2061_2 オクチョウジザクラ(バラ科)

DSCN2127_2 モミジイチゴ(バラ科)

DSCN2113_2左はコンロンソウ(アブラナ科)、右はミツバツチグリ(バラ科)

DSCN2033_2 コミヤマカタバミ(カタバミ科)

DSCN2042_2 タムシバ(モクレン科)

DSCN2039_2 ハウチワカエデ(カエデ科)

DSCN2031_2 ヒトリシズカ(センリョウ科)

DSCN2076_2 ユキツバキ(ツバキ科)

把手の交換

 

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あるお宅の食器戸棚ですが、一本のネジで裏から締めるだけの木製のつまみ(写真上)を、2本のボルトナットで締める式の無垢真鍮製・楕円断面U字型把手(写真下)に交換しました。戸棚自体は家具メーカーの既製品ですが、ほかのところで見かけた当工房製の家具のこの真鍮製の把手をお客様がいたく気に入られ、ぜひ交換してほしいと頼まれたものです。

じつはこの把手は20年以上も前に家具金物メーカーに特注したものです。サイズは大・中・小・豆と4種類あり、それぞれ一箱(20〜30個入)ずつ注文しました。既製品では仕上具合がいまひとつ気にいらなかったからですが、すぐになにかの注文家具に採用する予定があったわけでもないので、品物は良くても経営的には多くが「不良在庫」になってしまっていたものです。今回、豆サイズはちょうどの数だけ残っていたのでグッドタイミングです。

写真では把手のヘアーラインの金属光沢があまりよくわかりませんが、前のものに比べると全体の雰囲気がグレードアップした感じで、お客様にもたいへん喜んでいただきました。

 

中とじ用ホッチキス

 

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MAXの中とじ用ホッチキスです。HD−10DBというモデルで、通販で入手しました。A3サイズ強までの用紙の中央で綴じることができます。通常のホッチキス(一般名はステープラー)では懐が4〜5cmくらいしかないので、パンフレットや小冊子の中とじなどはできませんが、これがあれば奥行235mmまで簡単に正確に綴じることができます。

ただし使用するステープル(針)はごくふつうの10号なので、綴じられる最大枚数は並厚の上質紙(コピー用紙など)で15枚程度まで。もっともA3中とじ15枚ならば、A4で60ページの小冊子ができるわけで、いろいろと使い回しができそうです。

あ、それからステープルは私は工房でも自宅でもかならずステンレスのステープルを使っています。通常のスチールのものだと数年もしないうちに錆が出てきて紙等を汚してしまいがちだからです。値段はスチールの5倍くらいしますが、1000本入りで300円余りですから膨大な量を使うような職場でもないかぎりコストとしてはたかが知れたものですし、錆びにくい利点を考えれば断然お得でしょう。

 

が〜ん

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昨日のこと、ふと自動鉋盤の定盤を見たら大きな引っ掻き傷が幾筋も。木材を削って機械から出てくるところの位置で、ちょうど集塵カバーがあってそのつもりでのぞかないと見えにくい部分です。いつついたのか不明ですが、まだ新しい感じです。

材料に鉄粉かなにかが付いていて、それと気づかずに自動鉋盤に入れてしまったのであれば、定盤の最初のほうにも傷が付いているはずですがそれはないので、もともとなにかの理由で定盤後部に異物が落ちていて、それを材料が下敷きにしてひきずったのかもしれません。削り代が大きかったりした場合、削られた木材がすこし浮かげんで機械から排出されてくることがありますから。

さわってみると明らかに傷が出っ張っていて指先にひっかかります。数値的にはおそらく0.1mmもないとは思いますが、このままでは他の材料に傷がついてしまうので、目の細かい耐水ペーパーで軽くこすってから防錆オイルを塗布しました。この鉋盤(自動・手押兼用機)は買ってから二十年以上になりますが、扱いやメンテナンスには人一倍気を使っているつもりだったので、これは痛恨のきわみです。

 

※※ タイトルの入力が先日来うまくいかないので(ブログソフトのバグ?)、とうぶんの間「タイトルなし」とし、本文冒頭に見出しをすこし大きく付けることで代用とします。

コーヒーブレーク13 「峡谷」

 

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 峡谷に空気の柱ひしめけり

空気自体には色もなければ匂いもしない。透明で、ふだんはその存在をまず意識することはない。しかし風がすこしあればその重さを感じることができるし、霧がかかれば間接的にではあるがそこに空気が満ちていることがわかる。峡谷という言葉は文字通りに山あいの細く深く狭まった谷のことだが、ところによっては両側の岸壁がほぼ垂直に近いほど切り立っていることがある。そのような場所では、いわば空気の柱が列をなしているわけだ。/そういえば鳥海山の白沢川(シラソ)にもヤミチというみごとなゴルジュ(廊下のような形状で両岸が切り立った渓谷)があるのだが、ずっと昔にこの沢を出合から源流近くまで遡行したことがあり、まず初日の最初のほうであらわれたこのヤミチを突破するのに非常な苦労をしたことを思い出した。ダイレクトに突破しようとするならばゴルジュを泳いでいくしかないのだが、先がどうなっているかわからないし流速もあってリスクが大きすぎる。そこでヤミチの手前から左岸を高巻きしたのだが、急斜面を登ってまたシラソの流れに降り立つのに2時間以上かかった。あのヤミチをせめてまた眺めるだけでも眺めてみたい気がするが、そこまでたどりつくだけでももうたいへんだろうなあ。

水音を聞きて千年立ちつくす

人為的に植栽したスギ(杉)は別として、天然のスギの場合湿り気の多い谷筋に生えていることが多い。ことに大きな滝の近くや、日陰で風下となり雪が遅くまで残るような北面・東面の山腹に大きなスギがそびえたっていることがある。滝が間近かにきれいに眺められるような場所では、もともとそこに立っていたスギの大木を、景観上の都合から滝とワンセットのものとして意図的に、たとえば「神木」として保護することも珍しくない。/一般に針葉樹は広葉樹にくらべると樹の寿命が長く、世界最長のものでは1万年をゆうに越えるものもあるという。スギでも屋久島の屋久杉は別格としても、あちこちに500〜1000年クラスのスギは点在している。その直径1mを軽く超える巨木に接すると、なるほどたしかに私のような無神論者でもその威風にこころうたれるものがある。

凡庸な山も削りぬ雪解川

雪解けのピークもそろそろ過ぎたのか、河川の白濁した増水もいくらか収まってきた。雪解けは気温の上昇よりも降雨がてきめんで、春先のまだ冷たいとはいえ雪よりはずっと温度の高い雨が強く降ると、みるみる残雪が嵩を減じていく。川は降水量にくわえてその雨で溶け出した雪の水で一気に増水する。/前田普羅に「雪解川名山けづる響かな」という句があり、じつにみごとな名句だと思う。しかし当然ながら水勢によって削られるのは名山にかぎらずすべての山であり大地である。名もなき山々といういいかたは私は大嫌いだし事実にも反するが、著名かつ標高も高い山ではない、その意味では平凡な山にもぜひ光をあてていただきたいものだ。

 

タイヤ交換

 

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自家用車兼貨物車のタイヤを交換しました。平地はもう積雪の心配はありませんが、山間地にでかけたときに道路にまだ雪が残っていたり、夜間や早朝に路面が凍結していることがままあるので、冬タイヤを毎年ぎりぎりまで履いています。

わが家には車が2台あり、以前は2台とも自分でタイヤを交換していたのですが、とくに締めるときにかなり力を要すことから腰を痛くしたことがあります。それで自分でやるのは1台だけでかんべんしてもらっています。

4つのタイヤは減り方が必ずしも一様ではないので、前右側に装着していたタイヤはこんどは後左側に装着するというように、ローテーションしながら使用するのが基本です。とはいいながらタイヤは見た目はほとんどいっしょなので、うっかりするとどれがどのタイヤか混同してしまうことも。そのため私は上の写真のようにホイールにそれぞれFR、FL、BR、BLという記号と交換した年月を油性インキで書いておくようにしています。こうすれば間違わないですね(猫のマークは単なるおまけです)。

マーキングといえばドアのロックも同様で、なぜか締めるときの回転方向が1台の車でも同一ではありません(私の車だけ?)。ふつうネジの類いは右回しで締め左回しで緩めるようになっているわけですが、車のドアは右締めもあれば左締めもあって わけがわかりません。それでこれも締める方向が一目でわかるように鍵穴のすぐ上のところに「LOCK→」または「←LOCK」という文字を油性マジックで小さく書き込んでいます。

シテ3月句会 2014.03.12

 

短詩形表現の作品発表を主とする同人誌『シテ』の句会を、酒田市のアングラーズカフェを会場に、去る3月12日に行いました。シテでの句会は昨年から行ってはいたのですが、体制を整えてもうすこし本腰を入れて行おうということになり、その新体制における今回が第一回目です。参加メンバーはシテ同人では相蘇清太郎・阿蘇豊・今井富世・大江進・高瀬靖・早川孝子・南悠一の7人、他に外部からWNさんとOBさんの、合わせて9名。司会と事務方は南悠一、「主宰」はメンバーの中ではいちばん句歴の長いほうの私がつとめることになりました。

事前に無記名で各自2句を送っておき、それを順不同でプリントしたものを当日みんなに配ります。今回第一幕で10句、第二幕で10句あるのですが、その中から自分がいいなと思った句を2句ずつ選びます。ただし自分の句を採ってはいけません。選句が終わったら誰がどの句を採ったか発表し、高点句から順にみなで自由に批評します。句の作者が明らかになるのはその合評が終わってからです。

それでは当日の出句はどんなものだったでしょうか。第一幕の句と得点を記してみます。

0  新年が冬来るよしと光太郎
6  さわらないでフーとさかだつ春の月
2  はつ摘みの薹のかほりの朝餉かな
1  日脚伸ぶ酒蔵の酒醸されて
1  春一瞬ホワイトアウト果てもなき
1  数珠なりに血まみれの薮柑子かな
3  いつの間にお茶を入れしかボタン雪
1  血天井門を出づれば春の草
3  鈍色の空の白鳥煌めいて
0  ほろにがや舌に咲いたか蕗の花

いちばん点が入ったのは2番の<さわらないで〜>ですが、発情期かなにかで猫が毛を逆立てていて、飼い主をも寄せ付けない。しかし窓の外には柔らかい春の月がきれいにのぞいているといったあんばいで、猫と月との対比がおもしろいとの評が多かったです。セリフのおもしろさもポイント。しかしこの句には私も点を入れたのですが、逆立っているのが猫ではなくてあえて月であるととってもいいかなと思います。月に触れるといった表現は俳句ではわりあいよく出てきますから。作者は早川孝子さん。

次点3点句は7番の<いつの間に〜>と9番の<鈍色の〜>です。いれたお茶のことをすっかり忘れてしまうほどに降ってきた雪に見とれているようす。感じはよくわかるのですが、やや常套的ですし、「ボタン」ではなくやはり「牡丹」か「ぼたん」でしょうね。作者は阿蘇豊さん。白鳥の句は、これも最上川の河口には毎年たくさんの白鳥が飛来してくるので、実感としてよく理解できます。ただ上五を下に持ってこないと白鳥の輝きが半減してしまいます。作者はWNさん。

2点句の3番<はつ摘みの〜>は薹だけでフキノトウを意味するのはちょっと無理があると思います。 6番<数珠なりに〜>はヤブコウジの実はそういう実の付き方はしませんし、血まみれと表現するのはやはり強引すぎるでしょう。むろん俳句は文学的なものなので、科学的事実そのままでなくともかまわないのですが、それには読者を納得させるだけの強靭さが必要です。

ちなみに私の句は8番の<血天井〜>ですが、そもそも血天井という言葉があまりなじみがなかったようです。知らない言葉だと想像力もはたらかないので難しいですね。

さて第二幕の10句です。

2  落椿断崖なれば地を汚さず
0  春招く篝火花の競い立つ
4  花びら餅手に幸せのつたはれり
1  弥生というほっとする名の女の子
2  月凍る湯気たち小鍋独り言
0  春日差しパンダと転び遊ぶ児ら
3  ホワイトアウト潰えゆく冬かもめ
1  きみまちざかあつい恋文目に雪が
2  象の声寒さ戻りて弥生尽
3  白菜を三枚むいて春のかお

最高点は3番<花びらもち〜>ですが、正月のしあわせな気分が、手に持った餅の重さや感触から伝わってきます。これも非常によくわかる情景ですが、強いて言えば「幸せ」という言葉を使わないでその幸福感をうまく表現できないだろうかと私はどうしても思ってしまいます。他の人がきっと採るだろうということで私はパスしました(すみません)。作者はWNさん。

次点3点句は7番の<ホワイトアウト〜>と10番の<白菜を〜>。ホワイトアウトという言葉は第一幕でも出てきましたが、ここ庄内平野は地吹雪の名所で、誇張ではなくほんとうに1m先が見えなくなるほどの猛烈な吹雪がときどきあります。そういう悪天候下でもカモメ(正確にはウミネコ)が餌を求めて海から飛んでくるのですが、鳥の白と雪空の白とがすぐさま溶けあってみえなくなってしまいます。それを「溶ける」や「消える」ではなく「潰えゆく」と表現したところがいいですね。これは私も採りました。作者は南悠一さん。

白菜の句は、外見は薄茶色に汚れていても3枚もむくと新鮮な緑色が出てくるという台所の様子がよく表現されています。たしかに一枚二枚では足りず、三枚ですねえ。作者は阿蘇豊さん。

私の句は1番の<落椿〜>ですが、これは庭に植えた椿ではなく自生の薮椿や雪椿のことで、その情景をよく見知っている方から採っていただいたのはうれしかったです。

2点句が3句ありますが、5番の<月凍る〜>は付きすぎで、かつ言葉が多すぎるので、もっと整理したいです。9番の<象の声〜>は、私も採ったのですが、動物が象だからこそいいと思いました。体の大きな動物はその体積のわりに表面積が少ないからか意外に寒さにも平気みたいですね。

じつは投句者が9人で2句ずつなので計18句のはずだったのですが、3句出した方がいたために穴埋めの意味もあって俵万智さんの既出句を一句まぎれこませたとのこと。それが4番の<弥生という〜>ですが、私にはこれはまったく駄句としか思えません。「ほっとする」などという安直な答えを、あまりにも直接的な答えを自分から言ってしまっては元も子もありません。

・・・・・・・

午後6時半から9時まで、新体制初の句会でしたが、比較的初心者の多い句会にもかかわらず、凡句・常套句・優等生句のオンパレードに陥ることもなく、総じていえばまずまずのできではなかったかと思います。次回は5月14日(水)の開催予定です。みなさまふるってご参加ください。

 

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甲板の木取

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テーブルの甲板の木取をするべく、クルミ(オニグルミ)の板を並べています。厚みは30mmですが、幅は30cm前後、長さは220cmあり、一本の丸太から製材して8枚取れたうちの3枚です。若干の染みやごく小さな入り皮はありますが無節で通直素直な板。国産のクルミとしては最上級に近い材料といえます。乾燥(含水率)も9〜12%程度でした。

ただご注文の場合は当然ながらご予算の関係などもあってそれに合わせた材料と木取をおこなわなければいけません。材料があまりにも良すぎる場合、材料に大きめの節や変色や割れ・反り・捻れ・虫食いなどの欠点がある場合と同じくらいに、方向はまったく180度逆ながら猛烈に悩むことになります。無造作にやったのでは赤字になってしまいますので。

 

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コーヒーブレーク12 「薄羽白蝶」

 

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畑打つや縄文土器を砕きつつ

日本列島は氷河期の到来とともに何度もその陸地面積を広げ、また氷河期が終わり温暖になるにつれやせ細ってきた。海水面の高さは現在より100m以上も下がることもあれば、逆に50mほども上がることもあった。50mも海面が上昇すれば庄内平野は一部の砂丘をのぞいてほとんどが海の底にあったことになる。しかし最後の氷河期が終わる頃、約60〜50万年前に鳥海山は噴火を始めてその山体を膨張させつつあり、その噴出物や、最上川や赤川・日向川などからの大量の土砂の運搬によって現在の庄内平野にあたる浅い海は徐々に埋め立てられ陸地化していった。/縄文時代は今からおよそ16500〜3000年前のことだが、この地域では半ば陸地となり湿地状態となった庄内平野の外縁部、すなわちやや標高が高く堅固な地面のところに人々は居を構えた。縄文時代という名前はこの時代に作られた代表的な土器が縄目模様を付されたものが多かったことに由来するが、その高度な器の製作技術や、発掘されている数々の遺物からは、原始的で粗野な生活・社会というのではない、ずいぶん発達した高度かつ柔軟性もある暮らしぶりであっただろうことが推察される。/かつて縄文のひとたちが暮らしていたであろう場所は今は畑作地になっていることが多く、鍬や鋤で地面を打っているとしばしばがつんと硬いものに当たることがある。石ころだけでなくそれは土器や石器の破片であったり、やじりや手斧であったりすることも珍しくない。ただ現在ではトラクターなどで一気に耕すことがふつうだから、土器などがあったとしてもみな砕かれてしまうだろう。

もう少し眠らせておけと主峰かな

ひとまとまりの山塊やいくつもの峰をもたげる連峰だけでなく、規模の大きな単独峰であれば、その盟主なり主峰はこのピーク、準主峰はこのピーク、支峰はこのピークと名付けたくなるのは人間の性というものかもしれない。主峰か否かは、ボリュームの大きさや見てくれの安定感や重厚さなども重要な要素なので、必ずしも標高が最も高いピークが主峰とは限らない。/「山眠る」が俳句的には冬の季語とされているので、すなわち里は春を迎えていても高い山々はまだまだ冬の真っ最中なのである。

 空気の重さに抗えり薄羽白蝶

ウスバシロチョウ(薄羽白蝶)はモンシロチョウよりいくらか大きいくらいの蝶だが、シロチョウの仲間ではなくアゲハチョウの仲間。したがってウスバアゲハと呼ぶこともある。/私は小学生から中学生の時分に蝶採集に熱中したことがあり、なかでもこのウスバシロチョウは大のお気に入りであった。翅が半透明で白く、春先に低空でゆっくりと飛翔する姿はとても優雅だ。他の多くの蝶のようにはたはたと激しく翅をふるわせながら飛び続けるのではなく、数回はためかせてはすーっと滑空をくりかえすその飛び方も独特で、遠くからでもすぐにそれがウスバシロチョウであることが分かった。食草もケシ科のムラサキケマンやエゾエンゴサク、ヤマエンゴサクといった、いわゆるスプリングエフェメラル(春の妖精)であり、卵で冬をこし2〜3月に孵化、蛹は繭の中に作るという生態も興味深いものがある。しかしながら絶滅とまではいかないにしても個体数はずいぶん少なくなったように思う。

 

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滝めぐりドライブ

 

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昨日の午後は自家用車を駆って鳥海山周辺の滝巡りをしました。まず旧八幡町の升田地区にある玉簾ノ滝です。集落外れの専用駐車場に車をおいて歩道を10分ほど歩くのですが、冬でも訪れる人がけっこういるらしく除雪してあります。雪解けで水量がたいへん多く、水しぶきが飛んでくるので100mくらいまでしか近づくことができませんでしたが、非常に迫力があります。落差63mの垂直の滝というのは、里に近くアプローチが容易という点でも、たしかに庄内随一でしょう。天気もよくあたたかな日曜日とあって他の見物客とも10人ばかり行き会いましたが、しぶきを敬遠してかみなすぐにきびすを返してしまうようで、なんとももったいない話です。

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上の写真はその玉簾ノ滝を、升田から大台野にあがる七曲の坂の途中から眺めたものです。中央の細長く白いのがそれです。ただこの景観は樹木の葉がおいしげってくると見ることは難しくなってしまいます。昔はいくらか枝払いして滝がよく見えるようにしていたように思うのですが、やはり人手が不足しているのでしょうか。

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鳥海山中腹の滝ノ小屋への駐車場に向かう車道は、まだ積雪のため牧場のところの分岐までしか行けませんでしたので、そこからの月山や、胎蔵山・薬師森・石滝山・キスカスなどの出羽山地の姿を愛でたあと、途中まで引き返して国道344号を東方の金山町方面に走りました。樹々の芽吹きはこれからで、残雪に広く覆われた白と褐色の景色ですが、ほぼ自然林がずっと続くので私は大のお気に入りのコースです。飽海郡と最上郡との郡境でもある青沢トンネルをぬけてほどなくの路側帯から撮った写真が上のもの。出羽山地の八森です。登山道はありませんがずっと昔に一度頂上に立ったことがあります。量感があり姿もとてもいい山です。

ここで車をユータンして、344号沿いにある滝をあらためて眺め、停車して写真を撮りながら行きました。下の2枚はいずれも私には名前がわかりませんし落差も20m程度ですが、なかなか美しい滝です。

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