月別アーカイブ: 11月 2012

床暖房パネル敷設

一昨日と昨日と新築中の住宅に床暖房の敷設工事が入りました。アルミ薄板(0.4mm)と低発泡スチレンフォームからなる15mm厚のパネルを敷き並べ、そのパネルの溝に温水を循環させるためのパイプを這わせています。パネルとパネルの間にはMDF製の15mm厚の小根太が付いているので、パネルの敷設が終わったら、最終的には床の仕上げ材=15mm厚の無垢フローリング材をこれにかぶせていきます。

 

 

パネル等の機器は長野県須坂市にある株式会社美須弥工業の製品です。アルミ等の板金の特殊加工(医療機器・OA機器・音響設備・制御盤など)を得意とする会社で、床暖房部門では床暖房のほかに融雪やロードヒーティング関連の専用部品の製造と販売を行っています。長野県はここ山形県庄内地方にくらべ冬はずっと寒いわけで、そこで個人住宅だけでなく公共施設や店舗・医院などでも多くの導入実績をあげているようです。

わが家の基本設計を行う際に、床暖房についてはインターネットや実店舗・営業所などでいろいろ調べて比較検討してみたのですが、価格と性能とのバランスや、問い合わせ等に対する応対などを総合的にみて、美須弥工業の製品が最適と判断しました。ただ施工に関しては、長野からの出張ではたいへんということで、美須弥工業と取引のある新潟県新潟市の業者=有限会社イストにお願いしました。

現場施工にあたっては3名の作業員の方が来訪し、2日間にわたってパネルの敷設とパイプの配置を行いました。床暖房は入れるならできるだけ全室に導入したほうが熱効率はよく(少なくとも床面積の70%以上)、設置コストは少し高くなってもその後のランニングコストは割安になるので、トータルではそのほうがいいということです。今回のわが家の場合でも、物置と納戸とお風呂以外はすべての部屋と廊下と玄関に床暖房パネルを設置しました。

温水を循環させるパイプは架橋ポリエチレン製の10Aタイプで、全部で5系統あります。LDKでひとつ、廊下・洗面脱衣所・トイレ・乾燥室でひとつ、個室で3つの計5本ですが、それぞれにコントローラー(制御用リモコン)が付き温度や時間等の細かいセッティングを行うことができます。熱源は、深夜電力割引は先行きあてにならないので電気ではなく、専用の灯油ボイラーです。お風呂やキッチン・洗面所の給湯用ボイラーは別にまた設置します。

それぞれの系統では継ぎ目のいっさいない1本のパイプです。床板のフローリングと構造用合板の間に封じ込めるのですから、万一にも水漏れがあったらどうしようもないので、そのリスクの高い途中での継ぎ手を排除しているわけですね。

とりあえず今回の工事はパネルとパイプの敷設だけで、実際の運転は建物が完成してからになります。不安がまったくないというとウソになりますが、楽しみにしています。