未分類」カテゴリーアーカイブ

ペーパーウェイトの塗装

 

DSCN5115_2

 

ペーパーウェイトDtypeの塗装を開始しました。二液型ポリウレタン塗料を刷毛で塗るのですが、塗っては研ぎ、塗っては研ぎをくり返します。下塗用のサンディングシーラーを3〜4回、上塗用のフラットをやはり3〜4回施し、塗装がオーケーとなったら最後は鏡面研磨(ポリッシュ)です。

 

ペーパーウェイトのサンディング

 

DSCN5067

 

ペーパーウェイトDypeの製作中。側面を勾配2°にカットし(下面のほうがややすぼまっている)、鉋等で仕上げ削りをしたあとに各面を手作業でサンディングしています。サンダーでやれば速いのですが、「曲面は歪みのないきれいな曲面に、平面はあくまでも平面に」仕上げるには逐次目で確かめながら手で削るに限ります。

サンディングペーパーを当てゴムに巻き付けて180番→240番→320番と順番にあてていくのですが、エッジは1mmほどの角面なので、その大きさが不揃いになったり丸面になったりしないように注意が必要です。180および240番で45°の角面取りをした後に、さらにその角を320番で軽くなでます。ここまでやらないと手に持ったときの感触がいまいちよくありません。

上の写真は約60本作っているものの一部ですが、左から神代ナラ、黒柿、タモ波杢、黒柿スポルト、ウォールナット変杢(キルテッド的な杢)です。あとは塗装工程を残すだけですが、杢を活かすために鏡面塗装をするので(7〜8回くらい塗装します)、まだまだ時間がかかります。

 

オカトラノオ

 

DSCN5028_2

 

DSCN5032_2

 

漢字で書くと「岡虎の尾」。岡(丘)のような日当りのいい草地に生え、長い花序がトラの尾のようだという意味あいですが、写真でもおわかりのように猛獣の尻尾を連想させる雰囲気は実際にはみじんもないと思います。サクラソウ科の多年草で、一方に傾きかつ上向きに多く咲く白い花は清楚で美しい。一個の花の大きさは径10mm程度と小さいのですが、形はとてもよく整っています。花序の大きさは長さ10〜20cmほど(Lysimachia  clethroides)。

それほど珍しい花ではありませんが、たまにたくさん群れて咲いている光景に出会うことがあります。比較的明るい緑色一色のなかでちらちらと純白の花房がしなだれている様は幻想的です。数ある夏の野草のなかでも私はとくに好きな花のひとつ。

 

ペーパーウェイトの曲面切削

 

製作中のペーパーウェイトDtypeですが、上面は半径3000mmのカーブとなっています。今回はこれまでの加工方法を見直し、巨大コンパス様の治具とベルトサンダーとで一気に曲面を削り出しました。治具の製作と各種セッティングは面倒ですが、一度設定してしまえばあとは1個平均2分ほどで仕上げ一歩手前くらいの正確かつきれいな曲面を作ることができます。材料を直接手に持つこともないので、サンディングベルトによる反発や接触のおそれがなく安全でもあります。

ただし最初からうまくいったわけではなく、理論的には合っているはずなのに左右の切削量が0.5〜0.7mmほど差が出てしまい、その理由と対策におおいに悩みました。あちこち微調整したりしたのですが、なんのことはない治具の剛性が不足しているために加工中にそれのたわみが出てしまうことと、押し削りと引き削りとの圧力差が原因とわかりました。

それを考慮して加工を再開したところ、誤差を0.2〜0.3mm程度におさえることができました。ペーパーウェイトの外形としては許容範囲でしょう。ウォールナット変杢については木口に干割れが多く発生していたので、そのぶんは例外的にショートサイズのペーパーウェイトにすることで活かすことにしました。捨ててしまうにあまりにももったいない材料ですからね。

あとは側面に2°の勾配をつければ基本成形は終了です。

DSCN5054_2

 

DSCN5063_2

 

コーヒーブレーク 54 「雨告山」

 

DSCN4570_2

 

胞子さざめきて青色の黴白色の黴

わが家のお風呂の掃除をするのは私の担当である。浴槽と洗い場の床や壁の腰高くらいまでは毎日ブラシでこする。全体が無地の白色なので汚れが目立つのだが、だからこそ嫌でもきれいにしないといけないという動機付けにはなる。もっとも浴室掃除用のブラシが入らない狭い入り隅の部分は簡単には汚れを取りきれないので、そこは普段は多少目をつぶるようにしている。/お風呂の汚れも多くは黴とか細菌だと思うのだが、なぜか青とか黒とか褐色ではなくピンク色である。これはかえって目立つというか、たいへん気にさわる汚れであって、このピンク色が消えるまでブラシでごしごしこすることになる。

でで虫の暴走と思うバクテリア

カタツムリには多くの別名がある。マイマイ、マイマイツブラ、カタツブリ、デンデンムシ、デデムシなどである。漢字表記は蝸牛。おおざっぱには陸貝のうち殻がないものがナメクジ、殻を持つものをカタツムリである。なんとナメクジは殻がないだけでカタツムリの親戚だったんですねえ。ただしカタツムリは日常的な用語であって、生物学的には多くの科にまたがる広範な生物を含むという。/カタツムリ(またはナメクジ)はいかにも鈍足で、移動能力にとぼしいというイメージが強いが、事実地域ごとに種分化が起こりやすく、一見よく似たカタツムリであっても遺伝子レベルでは差異がずいぶんあることが多いようである。

雨告山の雨すでに止みたるか

雨告山(あまもりやま)は月山(1980m)の北東側にある標高1309mのピークである。一般的な登山コースからは外れているがそれなりに道は通じているようで、インターネットで検索すると最近のいくつかの山行記録を見ることができる。もう何十年も昔の記憶になるが、私も一度高校の国体予選だったかインターハイ予選だったかでこの雨告山に登ったことがある。羽黒山側からの月山登拝路の8合目からトラバースする荒れた道(通称タケノコ道?)がこの大会のために刈払がなされ、雨告山に登頂後にさらに南進して急峻な斜面をよじ登るようにして月山頂上に達したと記憶している。現在の登山用地図にも雨告山の西側崖斜面には「西普陀落」という表記があり、昔は修験者向けの秘所であったらしい。/雨告山。なんといっても名前がすばらしくすてきですね。実際麓の人たちは、この山に雲がかかり雷が鳴るようになると間もなく里も雨天となるとみなし、天気の目安としていたという。

 

ペーパーウェイトの接合

 

上下ふたつに分離して中に重しを仕込んだものを再び接着しています。単純な作業にはちがいありませんが、よくよくそのつもりで凝視しないと継ぎ目がわからないくらいにうまく接合するのはけっこう難しく、数々のノウハウがあります。詳細は「企業秘密」ですが、端金(はたがね)やFクランプなどを総動員しています。

DSCN5049_2

 

庭の花

 

DSCN5013_2

 

DSCN5015_2

 

今年もナツツバキが咲き始めました。一昨年苗木市で買い求めて庭に植えた樹ですが、背丈はあまり伸びていないものの花は毎年つけています。通常の椿などとはまたまったくちがう風情があり、大好きな花です。

下のほうの写真は、薄紫の花がスペアミント(シソ科)、後方の傘のような形状の薄緑の花はパセリ(セリ科)です。スペアミントは繁殖力旺盛で、あっという間に庭の一画を占めてしまいました。パセリはよくいろいろな料理に添え物のように使われますが、わが家の庭のそれは半日くらい直射日光があたるせいか背丈は70cmほどもあり、葉も固くて生で食べるには適していません、きざんで過熱してしまえば大丈夫ですが。

他にはユリ各種、コモンラベンダー(イングリッシュラベンダー)などが咲いています。ほんとうは白い花が咲く草木でほぼ全体を統一したいのですが、なかなかうまくいきません。

 

ペーパーウェイトの分決め

 

DSCN5006_2

 

ペーパーウェイトDtypeを製作中です。三次下拵を終えて、厚みと幅と長さをそろえました。ホゾとかミゾとかカーブなどの具体的な加工を施す前の、材料の厚みと幅(と長さ)を正確に所定寸法にそろえることを「分決め(ぶぎめ)」と呼んでいます。分は尺貫法の長さの単位の分(約3mm)のことですが、メートル法になっても昔からの慣例が残っているのですね。

このペーパーウェイトは単なる四角の棒状なものではなく、各面に微妙に勾配やアールが付いています。それは持ちやすさや見た目のニュアンスのためにという理由もありますが、もうひとつはいちばんいい杢が表面=上に来るようにするための方向決めという意味もあります。紙等を押さえる下面はどうしても傷や汚れが付きやすいので、せっかくの杢のいいところが下に来ないように、また隠れたりしないようにするわけです。

もっとも明確によしあしがわかる場合だけとはかぎらず、どちらを上向きにするか迷うこともしばしばです。しかしいつまでも思案していては仕事にならないので、えいやっと決めてしまうのですが、その後に細い油性マーカーで上下や通し番号を記入します。写真ではそれぞれの木口に同じ数字をふたつ記していますが、これは上下二つに切って中にステンレス丸棒の重しを入れるためで、他の材料と混同しないようにという理由によるものです。

 

一品物の専用木箱

 

DSCN4943_2

 

トップページの「オンライン販売」にも掲載している、「栃変杢長方形被蓋くり物(とちかわりもくちょうほうけいかぶせぶたくりもの)」をある方にお買い上げいただいきました。しかしながら、まごうかたなき一品物でおそらく同じようなものは二度と作れない(材料がない)品物とあって、保管用にちゃんとした専用の箱がほしいということになりました。

通常の小物類はその大きさに合わせて紙箱屋さんから専用の紙箱(化粧紙貼りの箱)を作ってもらっているのですが、1個だけとかでは頼みづらいし値段もかなり高く付いてしまいます。かといってむき出しでは傷や汚れが付いてしまうので、有り合わせの箱等に入れておくのですが、今回のような高額の一品物をお買い上げいただいた場合は、やはりそれではまずいですね。

DSCN4935_2 DSCN4936_2

 

普通ならば桐箱にするところでしょうが、あいにく当工房ではいまは桐材を使っていないので、針葉樹のスプルスでこしらえることにしました。サービス品でもあるので実用性重視のごくシンプルな木箱です。品物を包む布は、3年ほど前に別の品を包む用に余分に作ってもらった、柿色の綿ブロード45×45cmのものがあったので、これを使うことにしました。そんなものがあることもすっかり忘れていたのですが。

蓋には先日購入したバーニングペンで品名を記すことにします。なんだか非常にだいじな美術品みたいですね(実際、材料の調達などを考えると、ある意味ではそれ以上のものかもしれませんが)。

 

アブラコウモリ

 

わが家の外壁と土台とのわずかな凹みにコウモリが潜り込んでいるのを子供が見つけました。しばらく観察し、写真も何枚も撮りました。調べてみるとアブラコウモリ(別名イエコウモリ)のようです。体長5cm程度の小さなコウモリです。

室内に集団で棲息しない限りはとくに害はありませんし、蚊等を補食してくれるのでむしろ人間にとっては益獣といえます。夕方から夜にかけて飛んでいるのはよく見かけますが、至近距離で観察したのは私はこれが初めてです。

頭の上から背中にかけてすこしカールしたやわらかい毛が生えています。指先でちょっと触ったりを何度もくり返していたら、シャーという体に似合わない大きな声と、鋭い牙の生えた口を大きく開けて怒られてしまいました。小さくともやはり獣です。

DSCN4998