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ゴムの豚

 

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ちょっと厚めの天然ゴムでできた豚の玩具です。大きさは全長で約9cm。秀逸なのはゴムの内側がショッキングピンクに色づけされていて、息を吹き込んで口をむすぶ部分がちょうど豚の鼻になるように作ってあることです。グッドアイデアです。4本の脚と二つの耳はゴム自体の成形加工で、息を強く吹き込むとそれらが突出するようになっています。

もっとも、へなへなせずにしっかり自立するようにするためには内圧が一定以上ないとだめで、こんどはそうすると結び口のゴムの部分が短くなってしまい、結ぶのにかなり手こずることです。空気が抜けにくいように、また簡単に破けないように風船などよりはかなり厚い皮膜になっており、それは理解できるのですが、これでもうすこし楽に結べれば言うことなしですね。

 妻と子供が春に所用で東京に行った際にお土産で買ってきたものですが、パッケージを捨ててしまったので、誰のデザインでどこで製造・販売しているのかわかりません。ご存知の方はお知らせくださるとありがたいです。

 

アルの避妊手術

 

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昨年6月に、某所に捨てられていた生後1ヶ月ほどとおぼしき猫の3匹のうちの一匹をもらいうけたわが家のアル(Albiflora=ラテン語で白い花の意)ですが、生後1年半が経ってようやくという感じで発情期を迎えました。体重が2.65kgとすこし小柄だったので、発情期も通例より遅れたのかもしれません。このところ連日連夜、びっくりするくらい大きな声で哭いていました。

それでいつもお世話になっている獣医さんのところに連れて行って、さいわい翌日すぐに避妊手術を受けることができました。経過は良好ですが、人(猫)が変わったようにすっかりおとなしくなってしまいました。今は疲れたのか私の布団の上に乗って寝ているところです。

避妊手術はかわいそうといえばその通りなのですが、もしそれをしないで妊娠して仔猫が何匹も生まれてもとうていわが家ではこれ以上は飼えません。生まれた仔猫を捨てたりするよりはベターと思って納得するしかないと考えています。

 

秋天

 

まさに秋天というほかにないすばらしい景観。鳥海山の頂上付近は白くなり(初冠雪は9月30日)、中腹は紅葉に染まっています。澄み切った空には雲が浮かんでいます。田んぼの刈り入れもだいたい終わり、農道や畦に沿ってイヌタデ(アカマンマ)やノコンギク(野紺菊)やアキノノゲシ(秋の野芥子)といった花がたくさん咲き乱れています。  ※ 写真は10/15のもの

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へんな夕焼け

 

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10月10日の写真ですが、じつに奇妙な感じの夕焼けがあらわれていたので、思わず車を停めて何枚も写真を撮ってしまいました。赤く太い帯が二重に出ています。どういう条件が重なるとこういった現象になるのか、私にはよくわかりませんが。

 

コーヒーブレーク 62 「最上川」

 

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爽やかや道なべて弓なりであり

地球が丸いということは、案外ずっと昔から多くの人々が感じていたのではなかろうか。とりわけ海では、遠くの舟や島が沈んで見えていたものが近づくにつれ浮上してくるように見えるということは、地球が(海が)もしまったき平面であるならばありえない視覚だからである。海上でなくとも陸地から大海原を見渡したときも、左右に広がる水平線がわずかながら弧をえがいていることはわかる。/しかしもし球体であるとしてもそれがどれくらいの大きさであるのかまでは、おいそれとはわからない。それを実証しようとすれば、原理的には緯度の異なる二つの地点における南中時の太陽の角度を測り、それをもとに地球の半径を推計する方法がまず考えられる。実際に紀元前200年くらい前にすでにギリシャのエラトステネスという人がこの方法で計測し計算したところ、実際の大きさに対し誤差10%ほどの値を得ているという。2000年以上も前に地球がほぼ球体であることや、10%くらいの誤差でその大きさを知っていたとは驚きである。

秋色にたたずめり行者岳文殊岳

鳥海山は大昔から山岳信仰の対象であった。とくに何々宗教というのではなくとも、ときおり火を揚げ白雪をかかげ雲をまとう巨体を、人間や獣などとはまったく異なる偉大な存在=神としてとらえたのはごく自然な精神のありようであっただろう。そしてまた私個人としてはそれで十分であって、仏教だのキリスト教だのイスラム教だのといった世俗的にして利権的な宗教団体に帰属転化することには強い抵抗を覚える。/しかしそのことはここではいちおう脇においておくとして、仏教的には鳥海山の本尊は薬師如来であり、その左脇侍が日光菩薩、右脇侍が月光菩薩。これは「薬師三尊」という仏像安置形式のひとつであるが、鳥海山南面の山形県庄内地方の場合を考えると、鳥海山から流れ出す川は二本あり、左側に位置する河川が日向川、右側に位置する河川が月光川であるのはこのためである。現在の日向川はもともとは日光川であったと思うが、なぜ日光が日向にかわったのかはよくわからない。なお上記の右・左は中尊=薬師=頂上からみての右・左であって、麓から眺めての右・左とは逆であることに注意。

川北といい川南といい最上川

最上川は流路延長229km、ひとつの都道府県を流れる川としては日本最大の河川である。流域面積は7040km^2、山形県のおよそ75%を潤しており、日本三大急流のひとつに数えられている。さてこれだけ大きな川なので、昔であれば対岸にわたること自体がすでに容易なことではなかったろう。橋をかけるには大きすぎるので、基本的には川船による渡しに頼ることになるが、それとて水かさが多いときや強風・吹雪・大雨などの悪天候時にはきわめて危険である。しばしば運航中止になったと思われる。/したがって最上川をはさんで北の地と南側の地とは気風や文化や政治にいろいろと異なる面があり対抗する面がある。北の中心地である酒田市は北前船時代からの商業中心の町、南側の中心地である鶴岡市は江戸時代の酒井藩の城下町として栄えてきたという経緯もある。/しかしだ、地域人口が急速に減少し、半面交通や情報や経済全般や文化など南北の差は実際にはさほどなくなってきたと思う。違うといってもあくまでもそれは個人差であって、北と南とでマスで客観的に差異が指摘できることはまずないのではないか。とりわけ外部から訪れる人にとっては川北と川南のちがいなどどうでもいい都市伝説みたいな類いの話だ。

 

スノコ

 

750×900mmのスノコ(簀子)です。布団とかを載せておくのに自宅で使用しているものですが、板厚が22mmあるスギの板なので、かなり丈夫で、大人がのってもこわれる恐れはありません。

なぜわざわざ「大人が〜」と言うかというと、前に使用していたホームセンターから購入したスノコがあまりにちゃちで壊れてしまったからです。厚さ10mm弱のキリ(またはファルカタ?)の板を、これまた細い3本のキリの桟に表からピン打ちしているだけ。うっかり上に乗ったら板がばっきり折れてしまいました。

それではということで工房にあったスギの板で新たに作ったわけですが、受け桟は4本に増やし、板はその桟の下からステンレスの木ネジで止めています。スノコは基本的に湿気対策なので、材料は素木で無塗装ですが、面取りなどはしっかり施しています。

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句集『龍宮』

 

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ずっと気にかかっていた句集ですが、やっとインターネットで手に入れました。照井翠(てるいみどり)さんの第五句集『龍宮』です。昭和37年生まれ、岩手県釜石市在住の方です。と、ここまで書けば題名の「龍宮」がなにをさすのかはもう明らかでしょう。4年半前の3月11日に東北地方太平洋沿岸を襲った大津波で、犠牲となった方々に捧げる鎮魂を主体とする句集です。

はじめはホチキス止めの私家版として出したものが、その内容に驚嘆・共感した周りの人たちのすすめで2013年7月に角川書店よりあらためて出版されたという経緯からも伺い知れるように、俳人はもとよりもの書きであればうちのめされるようなたいへんな句集です。

表紙は深い海の底を想わせる群青色。6章にわかれ計223句がおさめられていますが、1ページに1句だてというたいへんぜいたくな作りです(装丁は間村俊一)。ブログにはどの句を取り上げるか迷いに迷ってしまうのですが、以下35句を選んでみました(私のパソコンでは旧字で出てこないものがあります。ご容赦を)。

黒々と津波は翼広げけり
家どれも一艘の舟津波引く
泥の底繭のごとくに嬰と母
双子なら同じ死顔桃の花
御くるみのレースを剝げば泥の花
春の星こんなに人が死んだのか
毛布被り孤島となりて泣きにけり
剥製の鹿と人間泥の穴
朧夜の首が体を呼んでをり
朧夜の泥の封ぜし黒ピアノ
梅の香や遺骨なければ掬ふ泥
一列に五体投地の土葬かな
春昼の冷蔵庫より黒き汁
春光の影となるものなかりけり
唇を噛み切りて咲く椿かな
漂着の函を開けば春の星
北上川の青蘆の丈長き髪
ほととぎす最後は空があるお前
トンネルの奥の万緑閉ぢきらる
蝶の逝く摑みし巌に摑まれて
蟻しきりに顔掻き毟るなくならぬ
蟇千年待つよずつと待つよ
面つけて亡き人かへる薪能
流灯にいま生きている息入るる
夏の果波間埋むる白き羽根
水引のどこまでも手を伸ばしくる
穴という穴に人間石榴の実
鮭は目を啄まれつつ産みにけり
蜘蛛逝きぬ己の糸の揺り籠に
小鳥来るきのふは番ひけふは一羽
葉牡丹の大きな渦に巻き込まる
釜石は骨ばかりなり凧
三月や遺影は眼逸らさざる
何処までも葉脈の街鳥帰る
朝顔の遥かなものへ捲かんとす

大自然の猛威を目のあたりにして、作者は呆然と立ち尽くし、悲嘆にくれ、やがて氷が溶けるように「運命」を受容し、いくぶんかは平安をとりもどしてゆく。そんな時間と精神の推移がわかります。この大震災では少なからぬ文学作品=俳句や短歌・詩・小説などが著されましたが、この句集は当事者ならではの緊迫感があり、多くの読者や評論家が指摘するように他を圧し群を抜いていると思います。

ただあえて言うならば、大津波によって大勢の人が亡くなったそのむごたらしい光景に対して、無理からぬとはいえ事実をそのままに羅列するに終わっている句も散見されます。ドキュメンタリーであればそれでよくそれで正解でしょうが、俳句として表現するなら詩的跳躍がほしいところです。もちろん、3.11という比類なき災害に遭遇してさえも文学的昇華を期待するのは、文学者としての一種の業かもしれませんが。

 

酒田木製品コンクール

 

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正式名は「第42回 伝統技術及び新材料による酒田木製品コンクール」ですが、酒田伝統工芸匠の会、酒田観光物産協会が主催、後援が酒田市という催事です。10月3〜4日に酒田市営体育館で行われました。私(当工房)は会員ではありませんし観光物産店に製品を委託販売したことも一度もありませんが、どうやら県の工業技術試験場あたりのアンテナにひっかかって出品の誘いが来たようです。

「今年度製作のもの」「追加注文に応じられる商品性のあるもの」といった条件があったので、私は昨日のブログにも載せた黒柿の蓋物(黒柿角形凹面被蓋くり物)1点と、6月末に仕上がったペーパーウェイトDタイプから6つの樹種の品を出しました。自分としては黒柿の蓋物がメインのつもりだったのですが、5名の審査員によって選ばれたのはペーパーウェイトDタイプのほう。奨励賞をいただきました。

このコンクールは産業フェアと同時開催・同一会場のため、入場者こそ8000名ほどあり盛況だったようですが、私も含め木製品等の売り上げはぱっとしませんでした。会場全体が物販に関してはいわばバーゲンセールのような感じなので、大半は1000円2000円程度のものしか売れなかったようです。私の場合も黒柿の蓋物は売約済みとなったので一安心したのですが、他はゼロ。しかも細かな当て傷やすり傷が付いてしまい、再塗装をしなければならなくなりました。

県知事賞や酒田市長賞といった上位の受賞作品はみな伝統的なデザインと作りの建具や家具や什器類で、正直言ってあまりかわりばえがしません。とうぜん技術はあると思うのですが、残念ながらこれでは新たな需要は見込めないでしょうね。

私自身もコンクールはさほど期待はしていませんでしたし、審査などもだいたい予想したとおりの結果で、とりたてて落胆しているわけではありません。むしろ酒田市および周辺の木工事情を、よかれあしかれ実物で体験できたことはよかったと思います。

 

黒柿角形凹面被蓋くり物

 

黒柿角形凹面被蓋くり物(くろがきかくがたおうめんかぶせぶたくりもの)と名付けた新作の小物です。大きさは152×106×35mmで、鏡面塗装で仕上げています。蓋も実も黒柿の厚板を掘り込んで作ったもので、このような技法でこしらえた木工品を「くり物」といいます(くるは掘るの意味ですが、私のパソコンのワープロでは漢字が出てきません)。

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箱物によくあるような薄板を接合して箱にしたもの=指物、あるいは薄板を蒸したり炙ったりして湾曲させて作ったもの=曲物ではありませんので、材料もよけいに使いますし、手間ひまもかかります。しかしできあがりは木目が途切れることなく続いて美しく、木の塊という感じがするので実際以上に重厚感もあります。貴重な黒柿の材がほとんどは製作過程で木屑となって消えてしまうわけですから、贅沢と言えばこれほど贅沢な品物もありません。

蓋のほうは孔雀杢といっていい非常にみごとな杢の材ですが、実のほうはそれとは対照的に黒みのほとんどない白っぽい無地に近い材を使っています。両方ともいかにもな黒柿の材料ではちょっとくどい印象になるでしょう。また蓋の上面はほんのすこしですが凹状に削っています。箱ものだと真っ平らか膨らんでいるのがふつうですが、今回はあえてその逆のパターンとしました。見る向きによっては蓋に水がたまっているように見えると思います。

この品については当ブログの9月22日の記事でいちど簡単に写真のみ披露したのですが、じつは10月2〜3日に酒田市営体育館にて開催された「第42回酒田木製品コンクール」に出品する予定だったためです。審査対象のひとつでもあったので、事前にあまり種を明かすのはよくありませんからね。そのコンクールの結果等については明日またレポートします。

 当品はすでに売約済みです。専用木箱入れ・税込で92000円。同等の品物はあと数点は製作可能です。予約受付中。

 

ミゾソバ

 

つい先日、月光川本流の川沿いをすこし散歩しました。目的は別にあったのですが、そちらは空振り。しかし、かわりにたくさんの花を愛でることができました。中でもミゾソバ(溝蕎麦。タデ科)の花がたいへんきれいです。ありふれた「雑草」のひとつであり、花は平開しても6〜7mmほどの小さな花ですが、よくみればたいへん美しい花です。

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ミゾソバのほかに私がなんとかわかる花は、イヌタデ、オオイヌタデ、ツリフネソウ、ツユクサ、アキノノゲシ、ハッカ、ノコンギク、ミソハギ、アカバナ、サワヒヨドリ、ヤナギタデ、オオハンゴンソウ、イヌトウバナ、イモカタバミ、ブタナ、ゲンノショウコ、といったところです。