正式名は「第42回 伝統技術及び新材料による酒田木製品コンクール」ですが、酒田伝統工芸匠の会、酒田観光物産協会が主催、後援が酒田市という催事です。10月3〜4日に酒田市営体育館で行われました。私(当工房)は会員ではありませんし観光物産店に製品を委託販売したことも一度もありませんが、どうやら県の工業技術試験場あたりのアンテナにひっかかって出品の誘いが来たようです。
「今年度製作のもの」「追加注文に応じられる商品性のあるもの」といった条件があったので、私は昨日のブログにも載せた黒柿の蓋物(黒柿角形凹面被蓋くり物)1点と、6月末に仕上がったペーパーウェイトDタイプから6つの樹種の品を出しました。自分としては黒柿の蓋物がメインのつもりだったのですが、5名の審査員によって選ばれたのはペーパーウェイトDタイプのほう。奨励賞をいただきました。
このコンクールは産業フェアと同時開催・同一会場のため、入場者こそ8000名ほどあり盛況だったようですが、私も含め木製品等の売り上げはぱっとしませんでした。会場全体が物販に関してはいわばバーゲンセールのような感じなので、大半は1000円2000円程度のものしか売れなかったようです。私の場合も黒柿の蓋物は売約済みとなったので一安心したのですが、他はゼロ。しかも細かな当て傷やすり傷が付いてしまい、再塗装をしなければならなくなりました。
県知事賞や酒田市長賞といった上位の受賞作品はみな伝統的なデザインと作りの建具や家具や什器類で、正直言ってあまりかわりばえがしません。とうぜん技術はあると思うのですが、残念ながらこれでは新たな需要は見込めないでしょうね。
私自身もコンクールはさほど期待はしていませんでしたし、審査などもだいたい予想したとおりの結果で、とりたてて落胆しているわけではありません。むしろ酒田市および周辺の木工事情を、よかれあしかれ実物で体験できたことはよかったと思います。