「亀の子束子」はれっきとした登録商標で、一般名詞としてはパーム束子(たわし)。ヤシの実の繊維を束ねた多目的なブラシですが、馬蹄形のこの形に針金で成形して使いやすくしたのは、明治40年亀の子束子西尾商店の発明だそうです。以来100年余り経ちますが、すっかりパーム束子の代名詞になっていますね。
ホームセンターなどに行くと、この亀の子束子をまねた商品はいろいろあり、値段も本家本元の半分以下だったりしますが、私は敬意を表して亀の子束子にしました。どだい数百円程度のものですし、何年も使えるのだから安いものです。パッケージも非常に好感がもてます。商品とパッケージがぴったり合っていますね。
小さいものは台所で使っていますが、これの大きいほうの亀の子束子は俗に「馬ブラシ」といって、工房では材木の砂落としに長年使用しています。製材された木材には輸送中や保管中にどうしても土砂やちり・ほこりが付着してしまいますが、そのまま加工すると刃物をいためてしまいます。そのため加工前に必ず束子でごしごしこすることにしています。