林床一面に咲く白い花。ユキノシタ科チダケサシ属のトリアシショウマ(鳥足升麻 Astibe thunbergii var.congesta)です。スギの人工林ですが、高さ1m弱くらいの白い花がたくさん咲いており、薄暗い林の中でとても幻想的ですらあります。
トリアシショウマは茎頂に側枝のよく分枝する円錐花序をつけ、花弁長さ5mm前後の白花を非常に密に咲かせます。葉は3回3出複葉の卵形〜広卵形。今の時期は山麓では花の少ない時期ですが、それだけにとてもよく目をひきます。けっして派手ではありませんが、こういう野草の群舞に出会うととてもうれしくなります。
下の写真はサクラソウ科オカトラノオ属のオカトラノオ(Lysimachia clethroides)で、トリアシショウマと同所に咲いていましたが、これも私はたいへんお気に入りの花。花のかたちはたしかに桜草ですね。花穂がみな傾くところも粋です。
最近、山や湧水、魚や植物といった自然関係のことばかり記事にあげていますが、木工の仕事のほうは定番的な小物の製作や試作、それに家具の補修といったこまごまとした内容が多いためです。あしからず。