月別アーカイブ: 3月 2014

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雪晴れ

 

一時、雪が降り、その後に青空が広がりました。木の枝に付着した新雪は陽光にかがやき、樹々が雪原に繊細なシルエットを落とします。なんでもない、ありふれた、しかしとても美しい雪国の景色。

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コーヒーブレーク 8 「沖之太夫」

 

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招き猫もうそろそろいいだろう

招き猫とは何か? もともとはネズミを補食する猫を祀った置物だったようだ。それはネズミが農作物や蚕などを食するからである。しかし養蚕自体がわが国ではとうに壊滅状態となり、それにつれて養蚕の縁起物から商売繁盛を祈願する縁起物に変わっていった。むろん猫は養蚕は別としても商売一般にはそれに寄与する側としては無関係であって、とりわけいまやまったく愛玩動物(ペット)にすぎない。その猫が商売ネタにかり出されるのは、猫にとってはおおいに迷惑なことであろう。/巷でしばしばみかける招き猫はたいてい前脚を上にあげた二等身の焼き物で、これは焼物の一大産地である常滑の創出物という。右手をあげているのは「銭を招く」、左手を上げているのは「客をまねく」という話もあるが、それは言うまでもなくバレンタインデーのチョコレートと同様のこじつけである。

 空引きて沖之太夫は来たりけり

沖之太夫はアホウドリの別名で、かつて山口県長門地方で用いられていた呼称。沖合にいる大きくて立派な鳥、海上を悠然と滑るように飛んでいく美しい鳥という意味の尊称だ。/反対にアホウドリ、または信天翁(しんてんおう)のほうは、人間をまったく警戒せず、断崖から落ちるように勢いをつけてからでないと飛びたてないことや、口をあけて天から餌が降ってくることを待っているばかな鳥(もちろんウソだが)の意味で、あきらかにとんでもない蔑称である。かつて羽毛を取る目的でほとんど絶滅状態に追いやった後ろめたさをごまかすために捏造した名前とも言えるだろう。/アホウドリはミズナギ目 アホウドリ科 キタアホウドリ属に分類される鳥で、全長1m近く、翼開長は2mを優に超える、世界最大級の海鳥。風をうまく利用してほとんど羽ばたきもせずに何時間でも飛んでいることができる。一時は死に絶えたと思われたアホウドリも長谷川博さんたちの懸命な活動により1999年時点で1000羽を超えるまでに個体数が増え、ようやく危機をとりあえずは脱したようだ。

春泥をあいだみつを美術館

相田みつを美術館なるものが東京都千代田区丸の内の「東京国際フォーラム」内にあるそうな。驚いた。1996年の開館以来、来館者の累計380万人というから、個人名を冠した美術館としてはトップクラスの来館者数である。平均滞在時間も長く、リピーターも多いそうだから、美術館としては上出来だ。それもこれも氏の書がカレンダー等に広く利用され、詩集がたくさん買われ、少なくとも名前だけはほぼ誰にでも知られている有名人のひとりだからだろう。トイレなどでもときおり小さなカレンダーを見かける。/ところであなたは相田みつを、好きですか? 私はあくまでも「作品」に対する感想ですが、書いてある言葉の多くはしごくもっともと思いつつもなぜかたいへん居心地がわるい。すなおにいいですね、とはいえない。いったいそれはどうしてなんでしょうかね。

(※ 上の写真は日本海からのぞむ鳥海山とウミネコです。)

 

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モーエンセンのベンチ

 

ツイッターでオランダの家具デザイナー、ボーエ-モーエンセン(1914~1972)のベンチについて言及されていた方がいましたので、あらためてインターネットでいろいろ検索してみました。下の写真はツイッターの主が好意的にとりあげていたものと同じタイプのベンチです(座面の革の色は違います)。ナンバー3171、サイズは1700×445×760mmだそうです。この画像はColt online SHOP という通販のHPから拾いました。

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みなさんはどう思われますか? 私は率直に申し上げてがっくりです。まず形態のバランスが非常によくありません。座板が左右にでっぱりすぎています。横幅1700mmだと、画像から察するに片側230〜250mmくらい出ているのではないでしょうか。テーブルなどの場合もそうですが、荷重の支点となる本体部から甲板や座板が大きく出ていると不用意に力をくわえた際にひっくり返るおそれがあります。つまり怪我する恐れも大きいわけで、それはデザイン以前の問題。まったく話になりません。

次に全体に部材が細すぎます。シンプルというよりはこれではチープな印象しか受けません。もちろん家具メーカーが量産するにあたり、大人が2〜3人座っても壊れないだけの強度はいちおう確保しているのでしょうが、それならよしというわけではありません。折れたりしないまでも荷重をかけたときに歪み・たわみが実感できるのは不安です。見た目の安心感・安定感もとてもだいじで、私ならあまり積極的には座りたくないですね。座る人がおそるおそる心配しながら座らなければならないベンチというのはどうなんでしょうか。

ベンチは基本的に定位置にすえたまま使うので、必ず軽量化しなければならないというものではありません。まあ大人が二人で苦にせず移動できる程度の重さなら充分です。

一人がけの椅子の場合も、やたらと軽量化をうたう人がいますが、ふつうに大人が一人で持てればいいので、2kgだの3kgだのと必要以上に部材を殺ぎ落とすのは、それ自体が自己目的化しているようで私は感心しません。ちなみに当工房の椅子だとハイバックチェアの一番軽いもので4.4kg、他は5.5kgくらいはあります。見た目の安心感や、何十年もの耐久性を考えるとこれはゆずれませんし、実際お客様から重すぎるという苦情がくることはありません。「もうすこし軽いともっといいんだけどな」と言われたことはたしかにありますが、理由を説明すると納得してもらえました。

さて肝心なことのひとつが値段です。このモーエンセンのベンチは材質の違いや仕上げの違い、革張りの色などでいろいろなバリエーションがあるようですが、日本で通販で売られているのを拾ってみると30〜40万円くらいするようです。言うまでもなくそれは小売価格であって、各種のマージンを含めた値段なわけですが、この作りでその値段はないよなぁ、というのが私の感想です。おそらく製造原価はせいぜい6〜8万程度でしょうから。

家具にも造詣が深いといわれている某有名建築家が、一般の女性からの「どういう椅子を選んだらいいのでしょうか?」という質問に対し、「欧米の定番とされている有名な椅子を選べばまずまちがいないでしょう」云々と答えていたのには心底あきれました。飾り物ならともかく椅子はまず何よりも生活の実用的な道具です。それを体格も生活様式も異なる欧米の人たちが用いている椅子をそのまま無条件に日本に持ってきても合わないことのほうが多いと思います。身長140cm台の女性もけっして珍しくありませんから、座面が40cm以上もあるような椅子では深く腰掛けたときに足の裏が床に着かないでしょう。

ボーエ-モーエンセンにかぎりませんが、いいかげん欧米の著名なデザイナーをやみくもにありがたがる愚はよしにしたいと思います。むろん家具デザイナーや木工家などが、体格や生活様式等の違いをよく理解したうえで、批判的に向こうの家具を分析、参考にすることはたいそう有益なことです。

 

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おばけやしき 2014

 

3月2日(日)に遊佐町の生涯学習センターにて開催された「おばけやしき 2014」ですが、盛況でした。一人300円の入場料でしたが、事前に新聞やテレビ・ラジオなどで取り上げていただいたこともあってか、昨年より100人近く多い240人ほどの方から楽しんで(こわがって?)もらえました。

私は実行委員会の副委員長という立場で、実際の担当はおばけやしき内の設営のなかで主に段ボール迷路を作ったのですが、おおむね好評だったようです。昨年の反省をふまえて迷路の構造や設置のしかたをいろいろ改良したので、へなへなの段ボールの再利用にもかかわらずおよそ3時間半の開催中最後まで壊れたりすることもなく、撤収もわりあい楽にできました。そのほか全体のようす、反響などについては下の新聞記事をごらんください。

スタッフの交代要員が少ないとか、材料費の予算がきびしい、お客さんに対するインフォメーションが徹底できていないといった課題はいろいろありますが、まずは成功裏に終わったといっていいと思います。

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コーヒーブレーク 7 「ほっちゃれ」

 

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七洋にへたくそなジグソーパズル

世界の五大洋といえば太平洋・大西洋・インド洋・北極海(北氷洋)・南極海(南氷洋)の5つで、七大洋という場合は太平洋と大西洋をそれぞれ北と南にわけて数えるので7つになる。ジグソーパズルのほうは言うまでもなくその海に浮かぶ大陸のことであるが 、それらの大陸がじつは固定されたものではなく地殻(プレート)に乗って移動しているのではないかと考えたのがたとえばドイツの気象学者アルフレート-ウェーゲナーであったわけだ。世界地図や地球儀をよく眺めると、ある大陸の輪郭と他の大陸の輪郭とが非常によく似ていることに気づく。もしかしたらこれは単なる偶然の一致ではなく、もとはひとつのものだったのが二つに分かれたのではないかと。大地は強固にして不動なるものの筆頭と信じられていた時代に、それが何千kmも動いたし、いまも動きつつあると唱えるのは(提唱は1912年)とても勇気がいったことであろう。まさに驚天動地そのものだからである。もちろん今はそれが事実であることは数々の証拠によって明らかになっている。

水底に三日月沈み鮭ほっちゃれ

月光川の本流では鮭(シロザケ)の採捕権を放棄し養漁業組合が解散したので、自然産卵の鮭がたくさん遡上してくる。中流域から上流域にかわるあたりで川床から湧水が出ているような場所で産卵・放精している。川幅がたいして広くもなく水深が1mもないところでの産卵行動なので、鮭の必死なようすを間近かに観察することができる。/必死というのは文字通りのことで、鮭は4年程度の海での回遊を経て自分が生まれた川にもどってくるのだが、それはひとえに次代に命をつなぐため。いったん川に入ってからは餌も取らず身にたくわえたエネルギーだけをたよりに産卵場所を目指して川をさかのぼってゆく。銀色の体はくすんだブナの樹肌のようになり、しだいにやせ細る。そして目的地で最後の力をふりしぼって卵を産み落とし精子を放つ。役目を終えた鮭はほどなく死んでしまい、川底に白っぽい魚体が点々と散らばる。その死体もけっして無駄になるわけではなく、鳥がついばみ狸が食み、虫や微生物の栄養となって循環していく。/ほっちゃれは元来は北海道の方言だったようだが、川を遡上し変色し細身になってゆく鮭や、産卵行動を終えたあとのよれよれの鮭や死んでしまった鮭のことをいう。「不味いので放ってしまえ」が語源だが、それは偏見だし必死の鮭に対して無慈悲すぎるだろう。

牡蠣柄の辺に牡蠣御殿や牡蠣を食う

貝塚というと一般的に思い浮かべるのは小さなゴミ捨場だろうが、塵も積もれば山となるということで、地層のように何メートルもの厚さに堆積しているものもあるという。仮に1年に1cmだとしても100年それが続けば1m、1000年なら10mにもになるわけだ。もはやそれはゴミ捨て場などとはいえない巨大さだ。

 

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2月の胴腹ノ滝

 

朝晩はまだ寒いですが、日中は陽が出るとだいぶ暖かくなってきました。雪もすこしづつ溶けてきて、胴腹ノ滝の周辺も渓流の近傍は緑色が目立ってきています。2月は8日・19日・28日の計3回、胴腹ノ滝を訪ねました。以下はそれぞれの水温と気温です。単位は℃です。

胴腹ノ滝の右側(湧水)   8.5   8.5   8.6
胴腹ノ滝の左側(湧水)   8.4   8.4   8.5
鳥居の前の表流水      3.8   3.5   4.6
胴腹ノ滝の前の気温       -2.8     -2.8   3.4
鳥居の前の気温         -3.6     -3.7   2.4

下の写真は2月28日午前9時頃のものですが、湧水量がかなり減っているのが分かります。とくに右側の減り方が著しいですね。これが最低水量かどうかはまだ次回以降をみてみないと分かりませんが、昨年で最も水量の多かったと思われる7月17日の写真を下に並べてみました。水量がまったく違うことが一目瞭然です。水温とちがって湧水の量を正確にはかることは難しいのですが、定点で撮影した写真の比較や、私の現地での実感からすると最大で10倍程度の差異があるのでないでしょうか。

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