※※ タイトルの入力が先日来うまくいかないので(ブログソフトのバグ?)、とうぶんの間「タイトルなし」とし、本文冒頭にすこし大きめの見出しを付けることで代用します。
コーヒーブレーク 8 「沖之太夫」
招き猫もうそろそろいいだろう
招き猫とは何か? もともとはネズミを補食する猫を祀った置物だったようだ。それはネズミが農作物や蚕などを食するからである。しかし養蚕自体がわが国ではとうに壊滅状態となり、それにつれて養蚕の縁起物から商売繁盛を祈願する縁起物に変わっていった。むろん猫は養蚕は別としても商売一般にはそれに寄与する側としては無関係であって、とりわけいまやまったく愛玩動物(ペット)にすぎない。その猫が商売ネタにかり出されるのは、猫にとってはおおいに迷惑なことであろう。/巷でしばしばみかける招き猫はたいてい前脚を上にあげた二等身の焼き物で、これは焼物の一大産地である常滑の創出物という。右手をあげているのは「銭を招く」、左手を上げているのは「客をまねく」という話もあるが、それは言うまでもなくバレンタインデーのチョコレートと同様のこじつけである。
空引きて沖之太夫は来たりけり
沖之太夫はアホウドリの別名で、かつて山口県長門地方で用いられていた呼称。沖合にいる大きくて立派な鳥、海上を悠然と滑るように飛んでいく美しい鳥という意味の尊称だ。/反対にアホウドリ、または信天翁(しんてんおう)のほうは、人間をまったく警戒せず、断崖から落ちるように勢いをつけてからでないと飛びたてないことや、口をあけて天から餌が降ってくることを待っているばかな鳥(もちろんウソだが)の意味で、あきらかにとんでもない蔑称である。かつて羽毛を取る目的でほとんど絶滅状態に追いやった後ろめたさをごまかすために捏造した名前とも言えるだろう。/アホウドリはミズナギ目 アホウドリ科 キタアホウドリ属に分類される鳥で、全長1m近く、翼開長は2mを優に超える、世界最大級の海鳥。風をうまく利用してほとんど羽ばたきもせずに何時間でも飛んでいることができる。一時は死に絶えたと思われたアホウドリも長谷川博さんたちの懸命な活動により1999年時点で1000羽を超えるまでに個体数が増え、ようやく危機をとりあえずは脱したようだ。
春泥をあいだみつを美術館
相田みつを美術館なるものが東京都千代田区丸の内の「東京国際フォーラム」内にあるそうな。驚いた。1996年の開館以来、来館者の累計380万人というから、個人名を冠した美術館としてはトップクラスの来館者数である。平均滞在時間も長く、リピーターも多いそうだから、美術館としては上出来だ。それもこれも氏の書がカレンダー等に広く利用され、詩集がたくさん買われ、少なくとも名前だけはほぼ誰にでも知られている有名人のひとりだからだろう。トイレなどでもときおり小さなカレンダーを見かける。/ところであなたは相田みつを、好きですか? 私はあくまでも「作品」に対する感想ですが、書いてある言葉の多くはしごくもっともと思いつつもなぜかたいへん居心地がわるい。すなおにいいですね、とはいえない。いったいそれはどうしてなんでしょうかね。
(※ 上の写真は日本海からのぞむ鳥海山とウミネコです。)