そろそろ梅雨かな、と思っていると咲いているのがこのエゴノキ(Styrax japonica)です。鳥海山麓の標高200〜300mくらいのところであちこち満開でした。エゴノキといってももちろんエゴイズムとはなんの関係もありません(言うまでもないか)。果皮に強いえぐみがあり、魚を捕る毒流し漁にも昔使われたことなどからきた名前のようです(異論あり)。今は毒流し漁は全面禁止ですが。
エゴノキ科エゴノキ属の落葉高木で、山野の雑木林などに生えます。別名をチシャノキ、チサノキ、ロクロギといいますから、ろくろ細工や将棋の駒などに向いた緻密で粘りのある木質なのでしょう。白い花で花冠の先が深く5裂し、下向きに群がるように咲きます。完全には平開せずややすぼまって咲くのも趣があります。樹高10mほどになるけっこう大きな樹木ですが、花が下垂してたくさん一度に咲くので、目立ちます。いい香りとともに、林の一画にまるで明かりが灯ったような雰囲気です。


