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新緑の経ケ蔵山 3

5月5日に一人で登った出羽山地の経ケ蔵山(474m)ですが、じつはこれまで十数回登った中で今回が初めてという体験がありました。それはメインルートから逸れたところにある「胎内くぐり」のルートをたどったことです。

比較的里に近い急峻な岩山ではしばしばあることですが、経ケ蔵山も昔は修験道の鍛錬の場でもあったわけです。で、その大岩や崖にすこし異形のものがあるとなにかしら曰くのある名前をつけ信仰の対象としたり、鍛錬する際の里程標とします。胎内くぐりもそのひとつで、大岩の狭小な隙間を半ばむりやりくぐり抜けていくことで、俗世の穢れを落とす、または生まれ変わるとみなすのですね。はっきり言えば女性器や産道をイメージしているわけで、岩の形状がそれに似たものであればあるほど崇敬されるでしょう。

これまでも胎内くぐりの道標を目にするつど気にはしていたのですが、子どもや他の人を連れての山行が多かったので、ただでさえ急な道で難儀しているのにこれ以上の負担はという理由で避けていました。今回は単独行で天気も薄曇り、やや肌寒いくらいの陽気、薮もまだあまり繁茂していないという絶好の条件だったので、猿渡りを過ぎたすぐあとの分岐を右に入っていきました。道形はわりあいはっきりしているものの転げ落ちそうな急斜面を何百メートルもトラバースしていくので要注意です。初心者はやめたほうがいいでしょう。まあ誰でもそう簡単にアプローチできたのでは鍛錬にはならないでしょうけど。

写真はメインルート上の猿渡り、胎内くぐりの看板、入口、穴、くぐり抜けてから(中央下の暗がりがその穴。花はユキツバキ)、やや離れたところから見下ろし(胎内は中央奥の斜上する岩の下)です。「産道」は人ひとりがなんとかやっとくぐれるくらいの大きさで、下は土の急傾斜なので補助の綱(電気コードを代用?)が張ってありましたが、例によって私はこういったものはアテにしないで自力で這い上がりました。そのあともメインルートにもどるまでさらに200mくらい急な道を登ります。最後の写真は経ケ蔵山の頂上から見た胎蔵山(729m)です。この山にもしばらく行ってないな〜。

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新緑の経ケ蔵山 2

5月5日に登った経ケ蔵山(474m)の続きです。登山道にそってじつにたくさんの花が咲いていましたが、登山口から登り始めはまずキバナイカリソウがあっちにもこっちにも。葉も花の形もユニークです。ついでミヤマスミレやナガハシスミレ、スミレサイシンなどのスミレの仲間の群落がずっと続きます(下の写真も同順)。ただしミヤマスミレとしたものがほんとうにそれかどうか自信はありませんし、もっと多くの、少なくともあと数種類のスミレが咲いていたかもしれません。わが国には60種ほどのスミレがあり、よく似たものがあるだけでなく交雑種や変異も多く、素人では見分けがつきません。

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中腹を過ぎたあたりからはオオミスミソウがちらほら出てきます。オオミスミソウはニリンソウやキクザキイチゲなどと同じくキンポウゲの仲間ですが、別名ユキワリソウとも呼ばれ、旧平田町の「町の花」に指定されています。花の色はさまざまで、写真の白と淡紅色縁取白のほかに、全体が淡紅色のもの、淡紫青色、淡紫紅色のものなどを見かけました。昔はもっとたくさん自生していたようですが、残念なことに盗掘されてかなり減ってしまったようです。

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新緑の経ケ蔵山 1

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昨日ちょうど2年ぶりに平田町(現酒田市)の東部、出羽山地の前縁に位置する経ケ蔵山(標高474m)に南西側の円能寺口から登ってきました。前回は小さな子ども連れでしたが、今回は単独行なのでまったくのマイペースでのんびり登ることができました。

経ケ蔵山は高さはたいしたことはありませんが急峻な山で眺望にすぐれ、たくさんの花を愛でることができます。雪国なので雪解けとともにじつに多くの種類の草木が先を争うようにいっせいに開花。目についた主な草本の花をあげるとミヤマスミレ、ナガハシスミレ、スミレサイシン、キバナイカリソウ、コンロンソウ、ミツバツチグリ、ヒトリシズカ、イワウチワ、オオミスミソウ、ニリンソウ、キケマンなどです。キクザキイチゲと ショウジョウバカマはもうだいたい花期は終わりですが、反対にユキザサやミヤマナルコユリなどはこれからのようです(樹木もいろいろ咲いていましたが、草本とちがって私はあまり識別できないので割愛します)。

1枚目の写真は麓の円能寺の集落から眺めた経ケ蔵山です。右端の、主稜線までいくつものピラミッドを積み重ねたようなところが登行路です。ずっと尾根伝いに行くので道は分かりやすく整備もされているのですが、傾斜はかなりあります。標準時間は登山口から頂上まで80分とか。その頂上は写真右側の三角のピークですが、そこから左側にえんえんと画面左端まで長く続いているなだらかな尾根が、北側の十二ノ滝からのコースの上部にあたります。道の両側はずっと急崖が連続しますがブナ等の樹木がしっかりと生えているので、怖くなく歩くことができます。

今回いちばん驚いたのはこの主稜線上にほぼ途切れることなく咲くイワウチワです。頂上手前からその姿が見えていたのですが、もしやと思って十二ノ滝のコースを主稜の肩のところまで往復してみました、大正解でしたね。盛りはもう過ぎた感じですが、これくらいみごとなイワウチワの群落はめったにありません(写真に撮るとそのすごさが半減しますが)。下の1枚目がイワウチワのアップで、淡紅色のひらひらとフリルのついた花と、名前の由来である艶々した丸い葉がわかります。2枚目はその群落ですが、これでもその箇所の群落の三分の一くらいでしょうか。

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エンジンチェンソー

不要な材料、とくに原木(丸太)で購入・製材した場合などは、割れや反りや虫食いなどがあって結果的には家具材料には不適な板がかなり出ます。そうしたものであってももともとはみな少なからぬお金を出して買ったものなので、もったいないと思ってとっておくのですが、結局のところまず日の目を見ることはありません。せいぜい自家用(工房や自宅)に一部利用するくらい。

そうするとだんだん不要な材料がたまってきて場所ふさぎになってしまい、必要な材料を取り出すのに邪魔になってしまうというような転倒した現象が起きてしまいます。そのためときどき不要な木材を切断処分します。長さ30cm程度に切りそろえてプラケース(野菜コンテナ)に詰め、薪ストーブを使っているお宅に進呈しています。

サイズの小さいものは丸ノコなどでカットしますが、大きなサイズ、とくに硬木で厚みがある場合や反り・捻れなどが大きい場合はキックバックの恐れもあるので、安全を期してチェーンソーで切断処理します。チェーンソーなら太くて硬い材木でもばりばりとあっという間です。ただしチェーン形状の刃を駆動させるのにかならずチェーンオイル(潤滑油)を必要とし、そのオイルが切断時に材料や周囲に飛散するため野外で作業しなければなりません。エンジン式のチェーンソーの場合は少なからぬ騒音と排気ガスもともないますのでなおさらです。

当工房には電気で動くガイドバー長さ400mm、出力1.43kwのチェーンソーもあります。100V交流電源に電気コードをつなげばいいだけですし、エンジンに比べればですがモーターの音は静かでもちろん排気ガスも出ません。しかし電源が近くにないかぎり使えませんし、その電気コードが邪魔になってしかたがないことがあります。うっかりすると自分で自分のコードを切ってしまいそう。また馬力はエンジンチェーンソーよりだいぶ落ちます。

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上の写真は現在愛用しているマキタのチェーンソーでMEA4300Gというモデルです。工房を始めて間もない頃にホームセンターで買った他メーカーの安いエンジンチェーンソーもあるのですが、あまり使い勝手がよくないので買い替えました(税抜定価だと71800円)。林業などプロの方はよくハスクバーナとかスチールなどを推奨するようですが、同クラスでも実売で倍近い値段がするのでとても買えません。私は舶来信仰はありませんし、あとあとのメンテナンスなどを考えると国産のしっかりしたメーカーの製品がベターです。

バーの長さは450mmで、エンジン排気量は42.4ml、最大出力2.2kwです。インテリジェントイグニッション搭載とかで、「回転数に応じた最適な点火タイミングをデジタル制御」しているようです。最新型とあってほかにも「蓄電機能で再始動性向上」「オーバーラン(過回転)防止」「実用回転域の出力向上」「振動低減構造(金属スプリングでハンドルとエンジンを4点支持)」「タッチ&ストップ機能(スイッチOFFにしてもスイッチが自動的にONポジションに復帰し、再始動時のプラグかぶりを防止)」などの特徴がうたわれていました。さらに上位機種はあるものの、このモデルでもいちおうプロ仕様とのことです。

実際に使ってみての感想ですが、やはり馬力はあるし始動>稼働>中断>再開がたいへんスムーズにできます。基本は家具作りなので、太い立ち木を伐ることはまずないのでそちらは分かりませんが、すでに伐られて丸太になっているものや製材されて板や角材になっている木を切るにはまったく問題ありません。控えめのカラーリング(マキタカラーのダルな青色)も気に入ってます。

 

踏み台

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自宅のトイレですが、便器の高さが子どもにはすこし高すぎるので、専用の踏み台をこしらえました。引っ越して間もない2月頃にオイルフィニッシュ仕上げで一度作ったのですが、汚れが目立ってきたので再度サンディングしてから二液型ポリウレタン樹脂塗料で艶消塗装しました。オイルフィニッシュは植物油にウレタン系硬化剤を調合して使うタイプのものですが(オリオ2)、やはり塗膜を形成する樹脂塗料ほどの防汚性・耐久性はないように思います。

強度と使い勝手がゆるす範囲内でできるだけ軽く小さくしたかったので、材料はスギの乾燥材で、大きさは幅320mm奥行195mm高さ170mmです。厚さは22mm。子どもの身長がのびるに連れて高さを切り詰めることができるような構造と片手で持てる形状にしてあります。

自家用でトイレで使用する踏み台ですから、間に合わせの適当なものでもいいかもしれませんが、木工業を生業とする身としては人から見られて恥ずかしくない程度の最低限のレベルというのはあります。板は一枚の板で、左側板・天板・右側板は木目が連続しています。この程度の品物でも木取〜加工〜組立〜塗装までで正味1日近くかかるので、トイレの踏み台としてはまあ「高級品」ですね。

占拠

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私の部屋の椅子(ワークチェア)の上に寝そべるトントです。日中はロフトの上に、夜は椅子の上で丸くなっていることが多く、すっかり新築のわが家におけるトントの定位置になってしまいました。

困るのは私で、読み書きしたりパソコンの操作をする際にとてもじゃまになります。かといってそのつどトントをどけるのもかわいそうなので、だいたいは背もたれのほうにすこし押しやって、私は椅子の前よりに座って仕事をしたりしています。お尻のあたりにトントの体温が伝わってきて、それはそれでくすぐったい気持ちではありますが……。

ちなみにこの写真は iPad mini で撮影しました。画面が7.9インチと大きく、画素数も1.2メガピクセル。顔認識機能があって(猫の顔もキャッチ)、焦点も画面上の任意の箇所をタップすることで簡単に合わせることができるので、別にふだん使用しているコンパクトデジカメよりも使い勝手がむしろいい部分も多いです。 iPad mini はタブレット型モバイルコンピュータですが、カメラはもはや「おまけでついている簡易機能」というレベルをはるかに超えていますね。

 

iPad mini

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待ちに待った iPad mini がとどきました。人気で品薄ということもあったかもしれませんが、おそらく販売店の事務的ミスも重なったかと踏んでいます。ともあれその iPad mini は非常に美しいです。性能・機能はもちろん大事ですが、眺めているだけでうれしくなるほどのグッドデザインは、なにものにもかえがたいものがあります。ま、私もいちおうデザイナーのはしくれですから。

使い勝手はどうかということについては、じつは入手していくらも経っておらず、さらに専用のカバーを装着したのは一昨日のことですから、まだよく分かっていません。それで、ここでは  iPad mini をあまりご存知ない方に向けてごく一般的なことを書いてみたいと思います。なお写真は上が iPad mini の本体で、下は専用の保護カバー兼スタンド(ロガリズムIPM102-White)を装着した状態。右にちょっと写っているのが折りたたみの携帯電話です。

iPad mini はその名称でもわかるように iPad の小型版です。 iPad のディスプレィが対角9.7インチ(約246mm)であるのに対し、 iPad mini は対角7.9インチ(約201mm)と一回り小さいのですが、重量については iPad の最新型である第三世代・Wi-Fi+Cellular モデルの662gに対し、312gと半分以下で非常に軽いです。外形寸法も7.2×134.7×200mmととてもコンパクト。これはまさしく名実ともにモバイルコンピューターです。

じつは1年前から iPad は持っていたのですが、その重さと大きさから日常的にショルダーバッグに入れて持ち歩くのはちょっと厳しいものがありました。バッグには財布やノート、メモ帳・携帯電話・筆記具・メジャー・超小型ライト・ハンドタオル・ポケットティッシュ・傷バンなどがいつも入っているので、これにさらに iPad が加わると肩が凝ってしまいそうです。今回の iPad mini なら薄手の書籍を1冊よけいに携行する程度なので苦になりません。

搭載されている機能としては1.2メガピクセルのカメラ、1080p HDビデオその他がありますが、基本的な機能としては私も使用中のデスクトップコンピューター= iMac とほとんど変わりません。ただしキーボードやマウスはなく操作はすべて画面にタッチして行うため、慣れないととまどうかもしれません。またインターネット通信は無線で行うので、有線で光ファイバーのコンピューターに比べるといらつくほど極端ではありませんが遅いです。 iPad mini はやはりモバイル用の限定的用途の簡易なコンピューターと割り切ったほうが正解で、がんがん外で仕事するならラップトップのノートパソコンが適任です。

私はつい先頃まで携帯電話は同じくアップルの iPhone を使っていました。 iPhone 3→ iPhone 4S です。こちらもたいへん気には入っていたのですが、昨年の自宅工事の際は工房の作業場内や建築現場で電話連絡することが多く、そのときはさすがに防水防塵仕様ではなく液晶画面がむきだしのスマートフォンである iPhone はつらいものがありました。濡れた手や戸外、雨天時、アウトドア(野山や海川など)の活動では心配ばかりしなければなりません。もちろん専用の防水カバーなどをつければいいかもしれませんが、それではせっかくのデザインがだいなしです。

やはり携帯電話は基本的に電話とせいぜいメールくらいできればいいので、携帯の小さい画面でインターネットなどの画像をみるのは疲れるため(年齢のせいもある?)、そちらは iPad mini にゆずることにし、携帯電話は旧来タイプの折りたたみ式で防水防塵タイプの最新型202SHに変更しました(3/27の記事に詳細)。むろん電話料金の削減も大きな理由です。

 

ロフトの猫

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わが家の飼い猫トントはよくロフトに上がっています。ロフトの床面は部屋の床から2.6mの高さがあり、いくらなんでもそこまで一気にジャンプはできないので、下に置いた衣装ケース→箪笥の天板→その上に置いた衣装ケース→ロフトと順に跳躍します。上の衣装ケースからロフトまでは90cmの高度差があり、なにもない空中を飛び上がるあんばいですが、上手に上がることができます。

トントは後脚を延ばして立たせると70cmくらいの身長があるのですが、それより3割ほど高いところに助走なしでびょんと飛び上がるのだからたいしたものです。身長170cmの私でいえば220cmのハイジャンプですからね。とはいえトントにとってもそれほど楽々というのではないらしく、跳ぶ前にすこし唸ったり足踏みをしているので、失敗しないように体勢と気持ちを整えているのでしょう。

 

部材の養生

以前にも書いたことがありますが、家具などを製作するときに素材の板や角からいきなり仕上寸法に加工してしまうことはまずありません。いくら素直かつ乾燥した木材であっても幅や厚みが急激に削減されることで内部応力が変化して歪んでしまうからです。

とくに素材寸法と部材としての仕上寸法との差が大きい場合は、切削にするにつれて反りや捻れや、ときに割れが発生することがあります。木の種類やもともとの木材の大きさにもよりますが、板厚であれば一度に連続して削る量は、裏と表と両面合わせてせいぜい5mmくらいです。例えば40mm厚の板から30mm仕上げのパーツをこしらえようとすれば、手押鉋盤→自動鉋盤を使って36〜35mm程度まで削って一度中断します。

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いったん平面を出してもその対面が削られることによって応力が変化し、最初の平面が平面でなくなります。度合いの違いはあるにしてもほとんど「必ずそうなる」と言っていいと思います。したがってそのまま続けて切削していっては危険なので、写真のように1本・1枚ずつ木端立てにし、空気が流通するように隣のものとすこし隙間をあけて並べて様子をみます。平に置いたり、複数個を重ねたりしてはいけません(よけいな外圧を避けるためです)。これをふつう「部材の養生」と呼んでいます。

写真では工房の天井の梁の間に桟木を渡し、それに一次下拵(いちじしたごしらえ)が済んだ材料を並べています。全部で130本(枚)ほどあるでしょうか。これは内部応力が落ち着くのを待っているのであって、よく間違われることがあるのですが、材料を乾燥させているのではありません。

樹種や寸法や製品となったときの用途にもよりますが、最低でも1週間くらいこの状態で放置します。その間に多かれ少なかれひずみが出てきているはずなので、また一から出直すつもりで手押鉋→自動鉋を通して平面化と一定の厚みにそろえていきます。30mm仕上なら32mmで止めといたほうがいいかもしれません。これで二次下拵が終了です。その後、前回と同様に養生します。ただし養生期間は前回よりは短かくていいでしょう。

さて数日後に3回目の下拵です。とくに問題がなさそうであれば、またまた手押鉋→自動鉋を使って、残りの2mmを0.5mmくらいずつ削っていって、最終的に目標の30mmに仕上げます。木材の加工(ここでは下拵)は原則として厚み→幅→長さの順で決めていくのですが、厚みと幅を決定することを「分決め(ぶぎめ)」と呼んでいます。分は旧来の尺貫法における長さの実用的最小単位である分(約3mm)に由来しているかと思います。

じつにめんどうですが、このように数次にわたる下拵えをして通直・平滑な板や角に仕上げてやらないと、その後の細かい加工(ホゾやミゾや段欠き、テーパーや曲面加工など)がうまくいきません。

 

胴腹ノ滝増水

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一目でわかるほど明らかに湧水量が増えています。河川の増水はもっと早い時期から始まりますが、湧水の場合は、少なくともこの胴腹ノ滝の場合はそれよりすこし遅れて増えてきます。例年どおりだとすれば5月10日頃まではさらに増水してくるでしょう。

写真は4月25日午前10時40分頃のものですが、その前の4月15日は滝の湧水温度は右左ともに8.6℃(気温は7.4℃)、そして4月25日が右が8.7℃、左8.6℃(気温9.7℃)でした。外気温より湧水のほうが温度が低く、「冷たい湧水」という一般的なイメージになってきましたね。

ちなみに昨年の記録でいうと、胴腹ノ滝の湧水が気温より低かったのは11月11日までで、その次の11月22日にはすでに逆転しています。つまり1年間で約5ヶ月もの間は「温かい湧水」だったのです。「冷たい湧水」という常套句やイメージは間違いではありませんが、まあ半分しか当たっていないということですね。