温度計と床暖房

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自室の卓上時計が壊れてしまったので、新しいものに交換しました。SEIKOのコンパクトな電波時計です。前の時計には付いていなかったのですが、日付や時刻だけでなく温度と湿度も液晶で表示されます。今回の話題はこの温度についてで、現在16.9℃を示しています。湿度は48%ですね。

わが家は全館床暖房ですが、ラインは全部で5系統あってそれぞれに個別に温度設定を行うことができます。この卓上時計を置いている私の部屋はいま8段階ある温度設定のうちの下から4の位置です。外気温がおよそ3℃くらいなので、この程度の設定でじゅうぶんです。もちろんTシャツ一枚といった格好ではなくちゃんと着るものは着ています。

時計は床から高さ70cmくらいのところにあります。試しに床上10cmのところに置いてみると17.2℃、床上2mのところで17.0℃ですから、0.3℃ほどのちがいしかなく、室内温度は上から下までほぼ同じ温度になっていることがわかります。これは床下・壁・天井に断熱材をきっちり施し、かつ全面床暖房ならではの「室内気候」といえるでしょう。

エアコンやストーブ、FFファンヒーターなどで暖房する場合は、暖かい空気はどうしても上のほうにたまってしまい、足元は寒いという状態になりがちです。そのため設定温度を23℃くらいにはしてやらないと足元がすーすーします。また室内の空気が汚れたり過乾燥、または逆に窓の結露なども起こることがしばしばです。

その点、床暖房は床面を温水でじんわりと暖め、それがしだいに室内の空気に伝わり、その暖気で部屋全体の構造物も暖まっていきます。したがって室内の暖かさは空気そのものの温度だけでなく、床や壁や天井、室内に置いた家具などからの輻射熱によっても感じることになります。暖房機器による空気の汚れはありませんし、過度の乾燥も湿潤も起こりません。熱源は戸外の軒下に置いた灯油ボイラーですから、火災や火傷・中毒の心配も低いです。

ただしいいことばかりではありません。まずイニシャルコスト、つまり最初の導入設置に要する経費が他の暖房に比べかなり割高です。地域差や部屋容積や断熱材の程度、採用する温水パイプ&パネル、熱源の種類などによって異なりますが、きわめておおざっぱに言えば1平方メートルあたり2万円強ほどかかるようです。のべ床面積が100平方メートル(約30坪)でその70%に施工するとすれば約150万円。130平方メートル(約40坪)の70%なら約200万ということです。万が一、使用途中でのパイプの破損や機器の故障があった場合も対応は非常に難しいので、よほどしっかりした工事業者に依頼しないと後悔するでしょう。

また例えばエアコンなどのようにスイッチを入れてすぐ暖めるというような急速暖房は原理的に不可能ですから、深夜や外出時などに完全にスイッチオフにしてしまうとその間に冷えきってしまい、いざスイッチを入れてもなかなか暖まりません。そのためわが家でも冬場の5ヶ月近くはスイッチはずっと入れっぱなしです。もちろん就寝時や外出時などは最低のレベル1にしています。厳寒期はレベル6まで一時的に上げることもあるのですが、台所や風呂や洗面所などの給湯用の専用ボイラーも合わせて灯油の消費量は最大で月25000円くらいです。したがってランニングコスト(運転と保守に要する経費)は他の暖房とさほど差がないかと思います。

床暖房のおかげで外から帰ってきても、玄関の戸をあけた瞬間からほっと一息つけますし(玄関の1畳余のフローリングにも床暖房設置)、お風呂や洗面脱衣所、夜中にトイレに入るときも凍えるような思いをしなくてもすむようになりました。ありがたいことです。

 

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