工房窓際族の多肉植物、第三弾です。トゲだらけで、一見サボテンとまちがわれそうですが、ベンケイソウ(Crassulaceae)科セダム属のヒントニー(Sedam hintonii)という多肉植物です。サボテンの場合はトゲは葉が変形したものですが、このヒントニーのトゲは葉の一部で、柔らかいです。触っても痛くありません。トゲというより毛ですね。葉自体も柔らかですから、ていねいに扱わないとすぐに傷だらけになってしまいます。クリーム色の小さな花が春〜初夏に咲きます。
細く白い突起が一面に付いている「もじゃもじゃ」した感じや、葉の青白い色合いもすてきですが、じつはこれは栽培はけっこうな難物。原産地はメキシコで高山性のものなので、高温多湿にはめっぽう弱いようです。1993年に知人から分けていただいたものですが、二株のうちの片方はこじれて二三年で消滅。もう片方の写真の株も何度かの危機をくぐりぬけ、ようやく15cm×15cmほどの群生にあいなりました。
ごくごく乾燥気味に育て、日光もたっぷりあててやると葉が密に詰まっていいと思います。水や肥料はちょびっとしか与えてはいけません(灌水は月に2回程度。肥料はハイポネックスなどの液肥を3000倍くらいに薄めて、たまに)。花が咲く前に茎がぐーっとのび、咲き終わるとその茎は枯れてしまうので見た目がわるくなるのですが、へたに切り詰めると根元までぜんぶ枯れてしまいます。やっかいです。