白鳥の群れ

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白鳥が田んぼに群れをなしていました。農道を挟んで左右の田に、総勢90羽くらい。刈り入れが終わって後からまた芽を出したイネをついばんだりしているようです。車で最徐行して近づいた感じでは安全圏が25〜30mくらいでしょうか。それ以上近づくと飛び立ちはしませんが、首をいっせいにもたげて一定の距離まで後退します。

上の写真で背景の黒い森は、高さ50m程度の庄内砂丘に植えられた主にマツの林です。直緯線距離にして5kmほど。海ぎわに設置された発電用の風車のブレードがいくつかのぞいています。下の写真は背景は雪をかぶった鳥海山で、標高1000mくらいまで見えています。

右端の上下の中央あたりの白い部分が、問題の採石地です。傷跡のようにはっきり分かりますね。町民や議会、区長会、生協などのほとんどあらゆる反対を強引に押し切って、町は採石業者と協定書を交わし、山形県が今月初めに採石の継続を認可した場所です。重機を使用しての深いところまでの大面積の採掘は、地下水の減少や汚染、法面の崩壊などといった実際的な物理的な被害も心配ですが、景観を損なうという面でも大きな問題です。せっかく全国的に有名になり、海外からも登山者が訪れるようになった鳥海山が、庄内平野のどこからでも一目でわかるような「傷」を負っていること、そしてそれがさらに拡大されようとしていることはきわめて大きなマイナスといえます。

長期的には地方の小さな町は、第一次産業と地場の商工業、そして観光をメインにすえていくことでしか生きのびることができないと思うのですが、鳥海山というかけがえのない唯一無二の絶対的な「観光資源」を毀損しても恥じないとはあきれてものがいえません。自分で自分の宝物に傷をつけてどうするんですか!

 

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