充電式のドライバードリルやインパクトドライバーに装着する先端工具のひとつで、ネジ類を締めたり緩めたりするためのビットです。極端に短いものと極端に長いもの。
短いほうは全長でも19mmしかなく、かろうじてドリルがくわえることができるだけの最低限度の長さしかありません。これは作業するときに懐がせまくて、通常の長さのビットを装着したのでは機械がつかえてしまうような場面で用います。それでも無理なときはアングルタイプのドライバードリルやインパクトドライバーの出番です。
逆に長いほうは200mmと300mmあります。これは締めようとするネジに対して、いろいろじゃまものがあってすぐ近くまで手やドリルが近寄れない場合に用います。ふつうよく使われるビットは長さ65〜100mm程度なので、それに比べると驚くほど長いです。軸が黄色いのはこのメーカー=ANEX独自の仕様で、ビット先端の形状が現在もっとも多く使われているプラス2のネジ類の溝に対応するものであることを示しています(+1は赤、+3は緑)。たしかにいちいちビット先端の大きさを確認することなく一目で識別できるので便利ですね。
写真の下方に写っているものが65mmのビットを装着した、当工房で8年ほど使用しているインパクトドライバーですので、比較してみると上のビット類の大きさがよくわかるかと思います。
さて、わざわざこうしたビットを取り上げるのは、建築現場等で他の大工さんなどといっしょになった際に、向こうが手持ちのビットでは長過ぎたり短すぎたりで困っていて、見かねた私が工具箱から上記のような極短・極長のビットを取り出して貸し出ししたことがあったからです。一度や二度ではありません。「えっ、そんなのがあるんだ!」というあんばいです。
値段的にはいちばん長いビットでも1000円はしませんし、それほど珍しいものではないんですけどね。