茎や葉、根などが通常の植物の形態にくらべ、いちじるしく肥大したように見える植物で、そうした部位の柔組織に水分を蓄えています。このような植物を多肉植物とよびます。まあ俗称で、植物学の正式な用語ではありませんが、以前よりはだいぶ一般的に名前も実物も浸透してきたようです。
写真の植物は、近くのスーパーで一昨年に買ったもの。たしか300円だったと思います。工房の事務所の窓際に他のサボテンや多肉植物十数鉢とともに並べています。水やりは5月から10月までの半年間でなんと合計10回程度。半月やそこら水やりをしなくてもぜんぜんへこたれないのがこの種の植物のいいところです(むしろ水や肥料をやりすぎると腐れたり徒長してしまいます)。一般の草花ではそうはいきません。
この多肉ははじめからラベルもなく種名はわかりませんが、たぶんベンケイソウ科センペルビブム属の多肉植物です。整然と並んだ肉厚の三角葉がきれいです。夏場はもっと緑色で赤みはわずかしかないのですが、10月下旬に今年最後の水やりをし、その後冬になるにつれ全体が赤くなってきました。寒さが続くとさらに赤みが増してきます。花も咲くみたいですが、それよりも冬場のこの「紅葉」を愛でるというのがこの仲間の本領のようですね。
それにしても買ったときに植えられていたフニャフニャのプラスチックの苗ポットのままです。それにもかかわらず大きさは倍以上になって、現在は4頭全体で幅13cmほどにもなりました。まるっきり鉢からはみだしています。けなげですね。来春はいいかげん植え替えせねば。