20年ぶり

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ずっと以前に当工房にてご注文で作らせていただいたウォールナットの椅子です。背側幕板の刻印を見ると1993とあるので、ちょうど20年ぶりの出会いということになります。

正確にはそのお客さまのところにはその後も何度も伺っているので、長さ2.2mの大きなダイニングテーブル(もちろん当工房製)とともにあるのをちらとは目にしているのですが、お客様さまのところで椅子をひっくりかえしてためつすがめつするわけにもいきません。今回は脚底のクッションのフェルトの交換を依頼されたので、工房に一晩あずかってきました。

ここぞとばかり隅々まで点検したのですが、まったくどこにも歪みやガタがきていません。自分で言うのもなんですが完璧です。むろん日常生活での細かな擦り傷や、窓越しの日射とはいえ陽に照らされて部分的には「色の濃いクルミ」のような淡い色合いになっていますが、非常にていねいに大切に使われているのがよく分かります。20年も使い込まれた家具とは第三者には信じてもらえないでしょうね。

この椅子は当工房の定番的な椅子のひとつです。貫の数や位置、部材の若干の寸法違いなどはありますが、これまでかなりの数を作っています。現代の一般的な椅子に比べるとごつくて重たい印象を受けるかもしれませんが、椅子は家具の中でもとりわけ強度・耐久性を必要とされるものです。見た目優先で、10年もしないうちにガタがきたのでは話になりません。

 

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