ようやく雨があがり梅雨明けかな?という気がしますが、はてさて。先日、降雨の合間に某所の庭を眺めていたら、直径10cmあまりの切り株の上にたくさんの雨蛙が並んでいました。蛙だからひなたぼっこというわけでもないようですが、枝の上や塀の上などあちこちに蛙がいます。
まだ体長1.5cmにも満たない蛙ですが、おたまじゃくしといい蛙といい敵に対して反逆するだけの強力な武器もなく、ひたすら「数で勝負」という生存戦略ですね。かつて大島弓子は『森のなかの一羽と3匹』という絵本の「カエル」という章で、さらりととても残酷で悲しい蛙の運命=事実を記しています(白泉社 1996年刊)。
運良く魚に食べられなければ/おたまじゃくしは まず足が出て//運良くザリガニに食べられなければ /おたまじゃくしは 次に手が出る//鳥にも蛇にも食べられなければ/おたまじゃくしは しっぽがとれて 蛙になれる/ここまでの生存確率1%/100匹のうち99匹は命をおとすのだ (p.44)
わたしはこの糸の/蜘蛛を食べた/親類の蛙は/ゴイサギに食べられた/近所の蛙が小学校の解剖で/大勢はてた/年長の蛙は車につぶされた/わたしが今生きてるのは/たぶん奇蹟なのかもしれないな (p.51)
翌日その蛙は死んでいた//蛙の死ぬのはなれっこなの/もう100回以上も見たことあるのと/自分に言った/池の中で泣いたら/水は涙をやさしく溶かした (p.53)