先日日曜日に秋田県にかほ市にある白瀬南極探検隊記念館に子どもたちと行ってきました。私は初めての訪問ですが、自然科学などに興味関心があれば大人でも(大人のほうが?)じゅうぶん楽しめる内容がありました。
1861年、秋田県由利郡金浦村に生まれた白瀬矗(しらせのぶ)はのちに陸軍中尉となり、1912年1月28日に南極大陸の南緯80度05分、西経156度37分に到達します。南極点には至らなかったわけですが(日本のそれは1968年の第9次越冬隊です)、1912年はアムンセンやスコットが南極点初踏を競い合っていた時です。アムンセン隊は1911年10月20日にみごと到達しますが、スコット隊は1月17日に極点に至ったものの帰途に全員遭難死しています。
記念館には白瀬中尉らが使用した毛皮の防寒服やテント・寝袋・轌などの実物が展示されており、各種の免状や直筆の手紙、船の設計図、文献資料等がたくさんありました。驚くのは白瀬中尉たちがこの南極探検に使った船がわずか204トンの木造船「開海丸」であったことです。その船の船体の一部が実物大の復元モデルで展示されているのですが、よくこんな小さな木の船で48000km・1年7ヶ月もの長期探検を行ったものです。しかも27名の隊員・船員に一人の犠牲者も出していません。
ほかに、白瀬隊のものではありませんがずっと後の第9次越冬隊で使用した大型の雪上車や、南極の氷(気泡を多く含むので乳白色)、オーロラの体験ドーム(CG)、南極大陸の地形模型や動植物の標本などもあり、なかなか見ごたえがあります。子どもたちがいちばん喜んだのはやはり雪上車と船で、実際に中に乗り込んで機器をさわることもできるので(もちろんもう動きませんが)、それはたしかに興奮します。
なお入館料は一般300円、小中学生が200円とたいへん安いですし(超赤字でしょうねぇ)、記念館に隣接して公園や大きな沼もあるので、家族連れで一日楽しめると思います。