きのう新築のわが家に食器戸棚を搬入しました。といってもまだ本体のみで、背板も引戸もまだ付いていません。全体で幅3359mm、高さ2000mm、奥行470mmという巨大な戸棚ですが、むろんはじめから一体にしたのでは大きすぎ重すぎて製作も搬入もできません。それで、上・中・下の3段、かつ中段は左右に二分し、計4体に分けて工房で作り、現場=自宅に搬入後ひとつに接合しました。玄関からは当然入らないので、窓から室内に入れました。
4つのうち2体は長さ3336mmあるので自家用の車では運べず、2トンの平ボディトラックをレンタルし積み込み移動。下段はシステムキッチンのワークトップの高さと同じ850mmですが、材料がスギの乾燥材なのでオーバーサイズながら重量的には二人でなんとか持つことができます。当工房は現在は私一人で仕事をしているので、近在のMさんに応援を頼みました。
地震などで倒れないように4体のおのおのと、全体を床と壁に厳重に固定しました。向かって右側だけ壁に固定していて、左側はフリーです。左に柱の一本も立てて床と天井に通し戸棚をそれに固定するという方法が普通かもしれませんが、見た目にどうもすっきりしません。高さも窓の高さと同じ2mにおさえ、天井高2.4mとの間に40cmの空間を設けました。中段は左右に分け中央に約90×70cmの窓を開けています。こうすることで視線的に空間の閉塞感を緩和し、リビングとキッチン相互の照明の融通と、外からの採光を考慮しています。
これらの措置をすることにより、食器戸棚はサイズの超大さの割にはあまり「重厚感」を出さずに、軽い感じに仕上がると思います。背板のリビング側は他の室内壁面と同様に石灰ベースの左官材料「タナクリーム」をコテ塗りするつもりでいます。白い壁にぽっかりと穴がうがたれているといったあんばいです。建物全体がシンプルで軽やかな感じなので、戸棚とかの家具だけがやたら重々しくてはバランスがとれませんからね。