ベルヌーイ曲線

 

いま巷で話題になっているらしいハサミです。接着剤などを買いにホームセンターに行ったら、レジの近くで大々的に宣伝していました。インターネットでやたらにほめている人がいたことを思い出し、値段もそれほどでなかったので急遽買ってみました。PLUSのフィットカットカーブ(fitcutCURVE) です。

他のハサミと違うのは、刃がかなりカーブしていることです。写真でもすぐに分かりますね。これはベルヌーイの曲線というのだそうで、刃の開く角度が常に一定であるため、切る材料をしっかりととらえ、刃の全長にわたって軽くなめらかな切れ味を実現したそうです。柄だけでなく刃の部分も青いのはチタンのコーティングを施しているためです。

握りは刃渡り65mmに対し110mmほどもあって、刃の大きさの割には大きめです。また柔・硬ふたつの樹脂を組み合わせることで、力を入れやすく手が疲れないとか。

さっそく使ってみましたが、なるほど厚紙でも極薄のフィルムでもたいへんスムーズに切ることができます。厚みのある丈夫な刃なので、薄手の段ボールや細めの紐(梱包用の紐や紙紐・ビニールの紐など)、草花の剪定にも使えるでしょう。もちろん金属類は無理ですけどね。

この新しいハサミに対して「3000年目の革新」などとベタほめしているブログも散見しましたが、それはちょっと誇大宣伝でしょう。自宅および工房で使っている十種類近いハサミをあらためて検分してみましたが、まったく直線の刃というのはひとつだけで、あとはみな大なり小なりカーブしていました。完全なベルヌーイカーブではないかもしれませんが、基本的な原理はとうに了解済みであるということでしょう。

 

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