とても個性的なかわった花です。ヤマジノホトトギス(山路の杜鵑草)がいま山野の林内にたくさん咲いていました。胴腹ノ滝に向かう車道のそばでも多く見かけました。ユリ科ホトトギス属の多年草ですが、その名前の由来である鳥のホトトギス(杜鵑)の胸の斑点のようなものが花にも葉にもくっきりあらわれています。分布は北海道西南部〜本州、四国、九州。草丈は1m弱、花期は8〜10月です(Tricyrtis affinis)。
ホトトギスの仲間は日本には変種をのぞいて13種あり、そのうちの10種は日本固有種だそうです。下の写真で花の下方、赤紫色の多数の斑点に彩られほぼ水平に開いているのが花被片(花びら)です。花被片は6枚あり、幅が広いのが外花被片、狭いのが内花被片。花の上方でまるで噴水のようにくるんと開いているところの、斑点のある3本が雌しべで、無斑点の6本が雄しべですが、雌しべの先はさらにふたつに裂けているなど、見れば見るほど色も形もおもしろい花です。花は葉腋に1〜3個つき上向きに咲くので、上の写真のように連続する花&葉のパターンがじつにいいですね。