仕事のお得意先でもある方からの依頼で、自然状態でのカブトムシを捕獲することになりました。近く東京からお孫さんが帰省するそうで、その際にペットショップや昆虫館のようなところで買うのではなく、野山でほんとうに生きているカブトムシを自分の目で見たい、つかまえたいとのこと。
うちにも小さい子がいるので、それではということでまず下見に夜に村外れから山あいにかけての国道を走ってみました。灯火の下に集まっている虫を探す(拾う?)ためです。しかし思ったより少なく、クワガタの雌を2匹捕獲したのみで、カブトムシは一匹も見つけることができませんでした。ミヤマクワガタなどの大きなクワガタの頭部の死骸はいくつか転がっていましたが、これは夜明けを待ってカラスなどがつついたものの残滓でしょう。
じつはすでに家ではカブトムシを数匹飼っており、それは妻の実家からいただいたものです。そこでその場所を聞き出し、翌朝5時にお客さん(おじいさん)とそのお孫さん、お孫さんのお母さんと、私と子どもの総勢5人で出かけました。遊佐町で庄内砂丘の一画です。メロンやスイカなどの畑が連なるあたりのそばの雑木林で、しばらく探すうちにコナラの幹に10匹ほどのカブトムシが群れているのを見つけました。夜が明けたばかりでまだ気温が低いせいか動きが鈍く、素手で簡単にとることができました。みな歓声をあげていましたが、私自身も自然状態でのカブトムシの群れを見るのは何十年ぶりです。
肝心のお孫さんのK君は、あれほど切望していたのにいざ実物を目前にするとおじけづいてしまい手が出ません。かわりに結局大人がほとんど捕まえることになりました。2本のコナラの木からカブトムシの雄と雌、合わせて15匹くらいいったんは袋に入れたのですが、もちろんこんなたくさん飼えるわけもなく、また現在では非常に貴重な野生のカブトムシですので、1ペアだけ持ち帰ることにして他は放しました。
都合1時間ほどのミニ探検行でしたが、子どもたちには得難い経験になったと思います。