天然杉の座卓

 

先日、酒田市内のK様宅に納品させていただいた天然秋田杉の座卓です。大きさは幅1350mm、奥行850mm、高さ330mmで、甲板(天板)は板目の板一枚と柾目板1枚を矧合て850mmとしています。同じ奥行と高さの座卓をすでに1卓使われており、大勢の人が集まる際にはこの天杉の座卓と並べて使用される予定とのことです。

材料はお客様からの持ち込み=支給材です。当初の見込みでは甲板がもうすこし薄くなる可能性があるということで、4本の脚を長手・妻手の幕板でつなぎ、それを甲板裏に駒止するつもりでいました。しかし実際に甲板用の幅広の板に水平の墨を出して手鉋で削ってみたところ、それほど大きな反りや捻れ、傷・汚れはなく、60mm近い厚さに仕上げることができました。1カ所あった死節は厚さ4.5mmで象嵌の手法で埋木しています。

せっかくの材料なのでわざわざ薄くするのもどうかということで、結局幕板はなし、そのかわり4本の脚の頭にそれぞれ2枚のホゾを作り、それを甲板の上まで通してクサビで締めています。下の写真がそれで、色の濃い長方形がホゾの頭、そのホゾの中で木目の向きの異なる細い材がクサビの頭です。もちろん甲板の表面とは完全にフラットに削りそろえています。

材料はスギなので柔らかく傷もつきやすいのですが、手触りはとても温かくいい感じです。比重が小さく柔らかい材料は、そのぶん空気を含む割合が多いので断熱性が高いのです。とくに冬場は硬木の座卓のようなヒヤッとした感触がなく、その違いがはっきり分かるでしょう。

 

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