ヤマユリ

 

いま山間の林道を歩いたり、車道を車で通っていてさえ甘やかな匂いが漂っているのに気がつきます。ヤマユリ(山百合)です。芳香が強いだけでなく直径20cmを超える白いっぽい花も、濃い緑色の樹林などを背景にして非常に目立ちます。野生の花でこれほど派手な花はほかにはないのではないでしょうか。

ヤマユリは日本特産種で、中部地方以北の本州に広く分布しています(Lilium auratum)。ユリの仲間でも最大級の大きな花で、古株では10個ほどの花を付けることがあります(発芽から開花までは普通5年以上)。花の重さで茎がみな傾いているのがちょっとおかしいです。19世紀にヨーロッパにこの花が紹介されたときはたいへんな驚きと賞賛をもって迎えられたといいます。園芸品種ならともかく、野生のユリでこれだけの花は信じがたい思いだったのではないですかね。

自生でもこれだけ目立つ花なので、そのまま観賞用に人家の庭に移植されることも多いようです。さらにまた、よけいな品種改良をほどこす必要などほとんどないでしょうし。

 

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