机で調べものをしていたらなにやら小さな生き物が動いています。ハエトリグモの仲間のようですが、体長4mmくらいの大きさながら、よく見るとなかなかどうして精悍です。
8本ある脚の前2本はもっぱら餌を捕獲するのに用いているようで、カニの前脚のように太くて長く刺も生えています。カマキリの鎌に似ています。それを半ば中空に持ち上げながら、威嚇するようなかっこうでつっつっとすばやく移動しています。小さい上にせわしなく動き回るので撮影はうまいきませんでしたが、まあどんなやつかはだいたい分かるかと思います。単眼が8つあるのですが、前方正面にある4つは大きく、それでしっかと見張っていますねぇ。
この種のクモは網を張らず、地面を歩き回って獲物を発見するとひそかに近づき、最後は一気にとびかかります。ハエトリグモは漢字で蠅虎とも書きます。発音の当て字か、獲物を狩るようすが猛獣のトラを想わせるのか。おそらく両方を合わせた造語でしょう。俳句では夏の季語です。
しばらく観察したあと、あまり小さくて踏みつぶしかねないので、そっと窓の外に移してやりました。