酒蔵のような

いま設計している自宅の外観ですが、屋根は前回(6/20)書いたように6寸勾配の切妻(きりづま)です。瓦にするかガルバリウム鋼板にするか、全体の予算とのかねあいもあってまだ決まっていませんが、希望としては瓦葺きです。それも鬼瓦などの装飾的要素をいっさい省いた黒い日本瓦です。ただし、先日瓦屋さんに相談したところ、おそらく瓦の重量だけで6トン近くになるだろうということで、その場合その重さをしっかり受け止めるだけの木組みの構造が必要となるので、屋根の仕上がりの素材を替えればいいという単純にわけではありません。

外壁は凹凸のない白い壁です。窓はできるだけ上下のラインをそろえます。窓は部屋ごとに必要な窓をそれぞれに設けているので、どうしても大きさがばらばらになりがちですが、外から見て大きさも位置もあるいは素材すらも違う窓が並んでいるのは、美しくありません。

壁はたぶんガルバリウム鋼板の縦張りになると思います。これもできれば左官仕事で塗り壁などにできれば理想的なのですが、外壁をそれで仕上げる場合は下地調整がたいへんでかなり割高になってしまいます。予算的にきびしいです。そうするとあとはサイディングくらいしか選択肢がありませんが、これもよくあるような石や煉瓦や木にみせかけたような類いのサイディングは絶対に避けたいです。本物ならもちろんいいのですが、わざわざ偽物をいちばん目立つ外壁に用いるなんて、私には信じられません。

ガルバリウムにももちろんたくさんの種類があるのですが、雨仕舞と外観からいって細かい角波の無地のものを縦に張るのが最適と思います。横張りだとどうしても継ぎ目が目立ちますし、雨仕舞も縦張りにくらべると劣ります。平屋ですから長尺を使えば妻手の棟から土台までも継ぎ目なしに張ることができそうですし、縦なので隣り合う鋼板との継ぎ目はもともと目立ちません。色合いはそれほど多くの種類はなく限られているのですが、色味のない白にするつもりです。

建物本体が1:2.7の細長い長方形で白壁、それに6寸勾配のやや急な切妻の黒い屋根、そして上下のラインがそろった窓。これ以上はないくらいにシンプルな外観です。イメージとしては日本の伝統的な酒蔵でしょうかね。

 

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