デスク用キャビネット

以前ウォールナットの一枚板でデスクを製作しましたが、そのお客様からデスク下の左右に置くキャビネット(主に書類入れ)のご注文をいただきました。

デスクのほうが第一級の材料でしたので、キャビネットもそれに負けないような作りにしないといけません。そこで抽斗の前板を左右で連続するようにしました。右側の下の抽斗はA4のファイルを入れられるように深くなっていますが、これの前板と、左側の中段・下段の前板はもともとは一枚の板です。左右の上段どうしも同様。

キャビネット全体の大きさは幅420mm、奥行500mm、高さ560mmです。デスクの高さが700mmでしたので、幕板の下端とキャビネット天板との間は33mmくらいの隙間があり、ここにも新聞や雑誌・カッティングボードなどを一時的に置いておくことができます。側面の板と天板とは9枚組手で合わせています。抽斗内部はすべて無地柾目のスプルス(マツ科トウヒ属の針葉樹)で、合板・集成材などはいっさい使っていません。本体背板ももちろんウォールナットの無垢板です。

こういったタイプの家具でよくあるようなキャスターや抽斗用の金属のスライドレールは、このキャビネットではあえて不採用としました。人それぞれ、また工房や木工所によって考えがちがうと思いますが、当工房ではできるだけ金物類、とくに現代的な高機能金物は使わないようにしています。金物の耐久性や、将来の交換に対する不安(すぐに廃番になる金物が多い)という理由もありますが、それ以上に理屈抜きにそういう「便利な」家具はなんだか私はあまり面白くないんです。

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