真冬の高瀬峡 2

1月22日の記事では、山ノ神ノ沢(藤井の用水)の冬の景観を、林道がこの沢を渡る橋のあたりから林道終点の山ノ神までを紹介しました。今回は山ノ神から上流側、つまり人工水路ではないもとからの自然のままの山ノ神ノ沢の部分を取り上げます。

1枚目は山ノ神駐車場のすぐ近くの大きな切通しから上流側を写していますが、中央の雪の高まりは人が築いた土手。その左側のくぼみがもともとの沢の跡です。写真のもっとも奥のあたり、すなわち高瀬峡遊歩道の入口の小さな橋すぐ下から上流が自然水路です。人工的に改変する前までは沢はここから西南西150mくらい先で滝となってヒノソに落ちていました。土手は尾根を掘削した際に出た土砂岩石を盛ったものでしょう。

2枚目からは山ノ神から上で完全に自然のままの渓流です。22日の下流側の写真と比べると違いがよく分かりますが、流路は分岐合一を繰り返し複雑です。理路整然とはしていません。これが本来の自然の渓谷の姿ですね。3枚目は以前(10/31)にいちど当ブログで紹介したことのある苔滝です。一面ナガサキホウオウゴケで覆われています。4枚目は2〜3mにおよぶ凹凸の著しい雪面ですが、大岩がごろごろしている一帯の下を豊富な湧水が流れているためにこうした特異な景観ができるわけです。うっかり踏み込むと穴に落ちて積もった雪が崩れて埋められてしまう可能性があり危険です。

最後の6枚目は源頭の湧泉です。ここから大量の湧水が流れ出しています。標高345mくらいですが、じつはほんとうの湧出口はさらに100m前後上流の標高355m付近にいくつかあります。ただし累々と広がる大岩の下からかすかに水が流れる音がするだけで水面を直接のぞくことはできません。したがって実際に流れを目視でき温度等の計測可能な箇所ということで、写真の345m地点を「源頭」としています。水温は7.6℃、気温は2.8℃でした。

この場所に限らず今回の山行ではいたるところで動物の足跡に出会いました。ウサギ・タヌキ・キツネ・カモシカ・イタチ・クマなどです。明らかに湧水を飲みにきたのだと思われる跡もたくさんありました。獣の姿は目撃できませんでしたが、山ノ神ノ沢ではカワガラスの飛翔になんどか遭遇しました。

 

 

 

 

 

 

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