酒田市内の某飲食店に昨年納めた椅子の若干の追加加工とクリーニングを行いました。夜、お店が営業を終えられてから受け取りに行き、工房で加工・作業をして、翌日午前10時にはまたもどすというややハードな仕事です。写真は無事作業が完了し、車に積み込む直前のものですが、16脚並ぶと零細工房にとってはそれなりに「壮観」ではありますね。
業務用ということでコスト的に大きな制約があり、当工房の標準的仕様の椅子に比べるといくらか簡略な作りですが、それでもオニグルミのオール無垢材でしっかりホゾ組みしてあります(お店のテーブルや座卓も同様な作りです)。座面は例によって水平&完全フラットです。
クリーニングはメタノール(メチルアルコール)をしみ込ませた布で徹底的に拭き取ったのですが、椅子2脚くらいで左の写真のようになりました。もちろん言うまでもなくお店で日常的に手入れは行なわれているのですが、超繁盛店であり油分を多く含む汚れということもあって、対応に限界があるかもしれません。使用頻度がいかに激しいかは座面等の照り具合をみれば一目瞭然です。全艶消塗装したはずの表面が艶有塗装のようにてかてかになっています。
それはそうとして、家具の製作者として気になったのは、座面についた無数ともいえる傷です。形状からいってジーンズなどの金属ボタンやリベット、ファスナー等がこすれた跡でしょう。あるいは今流行(?)のベルトに鍵などをじゃらじゃらいっぱいぶら下げている、その影響ですかね。お客様の格好や身につけているものにまで苦情をのべるわけにはいきませんが、家具の作り手としては要注意事項として記憶にとどめておきたいと思います。
「椅子のクリーニング」への5件のフィードバック