昇降丸鋸盤の縦挽の刃がすこし切れ味が落ちてきたので、新しい刃と交換しました。いつもだと再研磨済みの予備の刃に替えるのですが、今回は2年ほど前に買ったきりでしまい込んでいたカネフサの新品「CNチップソー」に替えてみました。このモデルはカネフサのカタログには載っていないややイレギュラータイプのもので、カネフサの営業所に電話してこちらの希望を伝えて送ってもらったものです。
驚きました。切れ味がぜんぜん違います。径305mmで刃先は50枚の超硬チップ、刃厚は2.0mm、鋸身厚1.5mmと、これまでの縦挽刃と基本的にはだいたい同じですが、硬い広葉樹の厚板を切っても刃先がぶれることなくすいすい切れます。もちろん新品だからというだけでは決してありません。他の刃は研磨直後でもこんなふうにスムーズには切れませんので、あまりの違いにびっくりしました。こんなことならもっと早く交換すればよかったな。
その違いは刃全体の加工精度もあると思いますが、おそらく制振機構がうまくはたらいているためではないでしょうか。刃の側面に縦長の大きめのスリットと、極細のM字型のスリットと2種類のスリットが開けられていますが、これが材料からの抵抗や熱を効率よく抑え、あるいは逃がしているのではないかと思います。
カネフサ(兼房株式会社)は切削工具・刃物の国内のトップメーカーですが、当工房ではここ10年くらいはほとんどカネフサの刃のみを購入・使用しています。木工機械を導入したときにオマケみたいに付いてくる刃や、ホームセンターなどで売っている刃にくらべると値段は高いですが、じゅうぶんそれだけの価値はあります。