大槌町小学生来訪

岩手県大槌町から小学生(4〜6年)8人と引率等の大人3人が、10月8〜10日遊佐町に訪れました。しらい自然館をベースとする「鳥海山おもしろ自然塾推進協議会」の最初の事業として行ったものです。藤井で農業を営んでいる斎藤武さんが会長で、私も理事のひとりになっています。

大槌町はみなさんもご存知かもしれませんが、3月11日の大地震と津波で大きな被害にあった町です。人口16000人の1割の方が死亡・行方不明ですから、いかにたいへんな惨事だったか。津波で家族を失った子どもたちもおおぜいいます。それからすでに7ヶ月経つわけですが、まだまだ混乱と疲弊の最中にあるといっていいと思います。

今回の事業は国からの補助などもあって基本的にほぼ無料での招待というかたちです。当初は8月に実施、人数ももっとずっと多く想定していたのですが、諸事情で10月の3連休まで延期で人数も少なくなってしまいました。実施が最終的に本決まりになったのはわずか4日前だったので、人員や機材器具の準備におおわらわでしたが、なんとかスタートを切ることができました。

一日目の10月8日は、大槌町からの一行が乗ったバスが午後2時半頃に遊佐町に着いたので、その足でまず稲刈りの体験。時間があまりなかったのですが4時くらいまで、コンバインに乗せてもらったり、手鎌で稲を刈ったりしました。その後、しらい自然館でこちらのスタッフなどと対面式。この日は一般家庭の3軒に分かれての宿泊(民宿)です。

二日目の10月9日は午前9時くらいから午後2時頃まで高瀬峡のハイキングその他を行いました。山ノ神から歩き始め、いくつか湧泉を眺め味わい、蔭ノ滝〜大滝へとすすみます。このハイキングについては私がメインスタッフで、ほかにサブスタッフを2名頼んだのですが、3連休でしかも3日間天気もよさそうだということで皆さん予定が立っており、じつは人員を確保するのがたいへんでした。

他のハイカーもけっこう多かったのですが、大滝手前の春に流出した中州の橋はいまだにきちんとは修理されておらず、ちょうどすぐ前を歩いていた家族連れは沢を渡れずにひきかえしていました。大滝の姿はむこうに見えているので、ここで引き返すのは残念すぎます。あたりを探してみると、杉板が1枚流れの中にひっかかっています。片方の端にロープが結んであるので、仮の橋桁がわりなのでしょう。それをきちんと据え直し、大滝のたもとまで無事にたどりつくことができました。

じつはここでの大休止のあとに場所をヒノソの長坂道徒渉点に転じて、昼食後に沢登り(のまねごと)するつもりでいたのですが、諸々の事情があって中止になってしまいました。天気も水の状態も絶好だったのに、子どもたちもスタッフも無念しごくです。そんなわけで時間が余ってしまったので、急遽山ノ神から3台の乗用車に分乗して一ノ滝駐車場に向かい、一ノ滝の豪快な直瀑とその付近のブナ林を見てきました。

午後2時半くらいからはしらい自然館にて、まず笹巻き作りです。笹の葉を2枚用いて円錐形にし中に餅米を入れ蒸します。これは大槌町へのお土産になります。続いては芋煮と米を野外炊飯場で鍋・釜で煮炊きしました。子どもたちが野菜を切ったりこんにゃくを手でちぎったり。できた芋煮とご飯で関係者一同交流会を兼ねての夕食にしました。出し物もあり、ネイチャーゲーム、バルーンアート、紙芝居、マジックショー、絵本読み聞かせと、盛りだくさん。8時半からは大人たちだけで2次会です。大槌町の方々の宿泊はこの日はしらい自然館。3連休とあって空き室なしの状態でした。

三日目の10月10日は午前中に牛渡川〜丸池様〜釜磯を見学。牛渡川の箕輪孵化場ではちょうど海からあがってきたシロザケの捕獲と採卵・受精の最中で、無理を言ってタモですくいあげたばかりのサケの頭を叩いたり、胴突をはいて孵化場下流の牛渡川の中を歩かせてもらいました。

これで三日間の事業は終わりましたが、いろいろと課題があるのは事実です。それをひとつひとつ解決しながら、これからも大槌町、あるいは他市町村の子どもたちとの交流が続いていくようにしたいと思っています。

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