アカマンマとも呼ばれるイヌタデ(タデ科タデ属 Polygonum longisetum)の群落です。日本全土にふつうに生えているありふれた多年草ですが、よく見ればなかなかきれいな花です。
茎長は20〜50cm程度、花序は長さ1〜5cmほどあり、1.5〜2mmの紅色(まれに白色)の花を多数咲かせます。個々の花はごく小さいながら、梅の花を想わせる5裂の整った形の花。ルーペでもあればその美しさに驚かれるでしょう。
イヌなんとかと名付けられている植物は少なくありませんが、はっきりいって蔑称ですね。イヌタデの場合も、ヤナギタデのような辛さが葉にないので役に立たないからという理由で付けられた名前のようです(ヤナギタデは「蓼食う虫も好きずき」のあのタデで、食用に用いられます)。それとどこでもごくふつうに出会う草のために「ふん、ただの雑草だろ」と見なされることが多いことも背景にあるかもしれません。
別名のアカマンマは「子どもがままごとによく使うから」とのこと。赤い粒状の花を集めて赤飯などに見立てて遊ぶわけですが、最近はそんな遊びをしている子どもがどれくらいいますかね。