当工房では家具や木製小物の仕上げに二液型ポリウレタン塗料やオイルフィニッシュ、蜜蝋、カシュー塗料などを用いています。それぞれに得意・不得意や長所・短所があるので、製品別、用途別に使い分けます。漆塗りは興味関心はもちろんあるのですが、私は漆にはひどいアレルギーがあるので使うことができません。
その中でもわりあい出番の多い二液型ポリウレタン塗料(以下ウレタン塗料)に、最近新しいタイプの塗料を導入してみました。メーカーの説明には「高架橋のウレタン樹脂をベースとし、さらに分子レベルで作用する超微粒子のファインセラミックスを複合することで強靭な塗膜が得られ、有機分子樹脂だけでは難しかった高い耐候性・耐汚染性・耐熱性・耐久性を実現」とあります。
紫外線に強いこと、汚れにくいこと、熱に強いこと(200℃の高温にも耐える)などが具体的に試験データを添えて説明されています。もちろんホルムアルデヒドなどのシックハウス要因物質はいっさい含まれていないF☆☆☆☆取得塗料です。これまで使用していたウレタン塗料も、工業ライン用の専門的な塗料だったのですが、それよりもずっと高機能・高性能の塗料のようです。まだ実際には一度しか使っていないのですが、使い勝手としては二液型ウレタン塗料をすでに使い慣れているのであれば、とくに違和感なく使えると思いました。塗り上がりもしっとりしたいい感じです。
ただ値段はかなり高いです。うちのような弱小零細工房では塗料の使用量などたかが知れており、今回も小口注文だったせいでよけい割高になったようですが、従来のウレタン塗料にくらべシンナーとサンディングシーラー(中塗塗料)が約1.3倍、トップコート(上塗塗料)は2.5倍もしました。トップコートは1kgあたり3000円を超えます。量産メーカーならこの値段では敬遠するでしょうね。製造コスト全体のなかで塗料代の占める比率が高騰するからです。その点、無垢材オンリーで注文生産と単品生産を中心とする、いわゆる「手作り家具」の場合は、そもそも塗料と塗装のコストは相対的にずっと低いのです。
なお製造メーカーや製品名などの具体的なことはまだないしょです。メーカーのうたい文句を鵜呑みするわけにはいきませんから、もっと使い込んで自分なりに確信が持てるようになったらあらためて報告します。
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