昨年4月に酒田市内の某飲食店に、テーブルとともに8セット16人分納品した椅子です。総予算とのかねあいや、あくまでも「業務用」ということで、当工房の標準的な仕様にくらべいくらか簡略化した作りです。超繁盛店のため酷使されていますがどこもガタはきていません。たしか艶消しの塗装のはずだったのですが、あまりにも多用され拭きこまれているためかすっかりつやつやになっています。座面にも擦り傷や凹み(鍵とかボタンとか)がたくさん付いています。材質はクルミ。
お店の床がクッションフロアなので、椅子の足下はフェルトを取り付けているのですが、それがひとつ取れてしまったということで修理。ただし金物店に当該部品の在庫がなく取り寄せするまでの数日間の応急措置ということで、工房にいったん持ってきた際の写真です。
その部品は特殊なものではなく、ごく一般的なものなのですが、小売店はいま在庫をできるかぎり持たないようにしているので、今回のような急ぎの場合は困ってしまいます。在庫を持たないというのはあらゆる業界の「常識」になっていて、それも理解できなくはないのですが程度問題ですね(トヨタのカンバン方式も単に下請・孫請に必要部品の在庫保持を押し付けているだけで、革新的生産方法でもなんでもありゃしないです)。