蓋の裏

すこし前に、お客様から預かった家具や小物の「リニューアル」の件をお伝えしましたが(5/23・25・26)、この四角い蓋物もそのひとつです。

木製ではなく陶器で、大きさは縦横が145mm、高さ86mm。外側は全体が濃い臙脂色で、それに模様が全面に施されています。釉薬で描いて窯で焼き上げたのではなく、漆塗りの下地に色漆や金泥で描いたように思います(ただ私は漆はまったくだめなので、もしかしたら違っているかもしれませんが)。蓋のほうの絵柄はもうかなり薄くなってしまっています。とくに金泥の部分はほとんど消えていますね。

おもしろいのは蓋を開けて中をのぞいたときです。実と蓋に左右対称にシュンラン(春蘭)でしょうか、花の絵が描いてあります。シュンランだとすれば実際の花も淡い緑色なので、絵がモノクロで描かれているのはむしろ実写的といっていいかもしれません。それと対照的にふたつの角の緑の釉薬もしゃれています。

私は焼き物にはたいへん興味があり、いわゆる作家物の陶磁器をそれなりに多く持っていて、実際に日常的に使用しています。ただ最近は新たに買い入れる余裕は、収納スペースの意味でもなくなってきてしまったのが残念です。

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