煙草入

おそらくは紫檀でできた煙草入です(自分で実際に使用している材種以外はいまいち分からない)。昨日(5/25)の茶櫃や、その前の縞黒檀の茶簞笥と同じくお客様のご実家でお父様が長く使われていたものです。大きさは皿が136/118/8mm、実が116/100/29mm、蓋が111/97/8mmで、手の平に載るくらいのサイズです。

じつはお父様が残された品で、私が個人的にいちばん感心し気に入ったものの最右翼がこの煙草入でした。写真ではどうもそのよさがうまく表現されていないきらいがありますが、皿・実・蓋ともに指物ではなく一枚の板を彫って作ってあるところがとてもすてきです。彫刻とか象眼・螺鈿といった加飾はまったくありませんが、そのことがいっそう魅力的。

ただ長年煙草(刻み煙草?)を入れていたせいか全体に煙草の臭いや脂などが濃密にしみついていて、再塗装するべく劣化した前の塗装を削り落とすのはたいへんでした。何時間もサンディングしていると身体から衣類からすべて煙草くさくなり……。喫煙せず喉も丈夫とはいえない私は、作業終了後大急ぎでお風呂に入り、着ていたものを全部洗濯しました。

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