鳥海山立体マップ


鳥海山が噴火した場合、溶岩や噴石、降灰・火山泥流などの災害がどこまで及ぶかを予測した火山防災マップです。ユニークなのはベースの地図が平面図ではなく衛星写真および国土地理院発行の1/20万地勢図をもとにした非常に精密な立体模型であること。縮尺は1:75000で比高1:1.15です。つまり垂直方向には15%強調してあります(上)。それとは別に災害予想図が印刷された透明なカバーがあり、ベースの地図にすっぽりかぶせる形になっています(下)。

このマップは平成13年(2001年)に山形県庄内総合支庁によって発行されたものです。製作は住鉱コンサルタント株式会社、ニシムラ精密地形模型。本来は県内の官公庁や防災機関、公民館・学校などに限定配布する目的で作られたマップですが、当時私は「遊佐自然文化学校」という任意の民間団体の活動で月1回程度、遊佐町内の小学生4〜6年生と鳥海山に登っていたこともあり、庄内総合支庁に電話して2部だけとくべつに分けていただきました。

どれくらいの精度があるかをみるために、試しにカメラでごく浅い角度から写真を撮ってみました。まるで本物の鳥海山を写したみたいですね。鳥海山ならびに周辺の出羽山地や丁山地の一部もよく表現されており、山屋にはこれはたまらないアイテムといっていいでしょう。地形のありようや成り立ちがよく理解できます。

ほんとうはこういうマップこそ有料ででも一般の人が入手できるようにしてもらいたいものです。精密模型の金型を作るのにえらいお金がかかったとのことですが、それをうまく回収するようにしたほうがいいと思うのですが、やはりお役所は商売気がぜんぜんないですねえ。もったいない。

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