家具の部材のホゾは、通常の大きさと形であれば昇降丸鋸盤に付属している ホゾ取り装置で加工します。ただし専用のホゾ取り盤のように縦と横を同時にカットしたり勾配切りをするとか、ふつうの丸ノコ刃以外の特殊な形状の刃などを使うことはまず不可能で、縦挽用の刃で材料の長さ方向に切ることしかできません。懐もそれほど広くないので、幅広の材に太く長いホゾを付けるなども不可能です。それでも一本ずつ手作業でホゾを切っていくのに比べれば作業効率と加工精度は雲泥の差があります。
写真はテーブル類の甲板と脚部とを締結するための駒止用の駒のホゾ厚を切っているところです。幕板などに開けたホゾ穴の大きさは8mm幅だったのですが、ホゾ厚もまったく同じ8mmだときつすぎるので、0.1mm弱薄く微調整しているところです。
この駒は長さ80mmしかありませんので、駒を直接手で持って加工したのでは非常に危険です。そのため専用の自作のホルダーに駒を入れてトグルクランプでしっかり押さえながらカットしています。
刃はカネフサの径305mm、50枚刃、刃幅2.0mm、台金厚1.5mmという縦挽専用の刃ですが、通常のカタログには載っていない刃で、メーカーに電話して特別に分けてもらったものです。ただし購入はなじみの機械屋さんを通してのみ可です。