酒田市のSHさんからご注文があった食卓用のテーブルを作っています。写真は甲板の木取をし、一次削りを終えたところ。2枚は同じタモの丸太から挽いた共木で連番の板です。したがって木目はよく似ています。
甲板の仕上りの寸法は150×80cmの予定ですが、ほぼ中央で接ぎ合わせるので、一枚の板は幅40cmくらいあります。そのため30cm幅以下の材料の場合のように平面出しに手押鉋盤を使うということはできないので、反りや捻れを取るために木端・木口に仮想平面の墨を打ち、それを目安に手鉋でひたすら削ります。今回は捻れが最大5mmほどあったのですが、それを手で削り落とすのはなかなかたいへんです。
墨線どおりにだいたい平面になれば(精度的には0.5mm以下)、その面を基準面として反対側の面を自動鉋盤で削ります。自動鉋盤は刃幅が約460mmあるので、片面がほぼ平らになっていればもう片面を削ることが可能なわけです。逆に言うと、幅460mm以上ある、いわゆる「一枚板」になるとまったく鉋盤は使えないので、両面とも手で削るしかありません。
無垢板で大きなテーブルを専門で手がけている木工所の場合だと、平面出しにNC(数値制御)ルーターを用い、仕上げには1m幅以上もあるワイドベルトサンダーを用いてるようです。しかしそういった機械だけでも少なくとも2000万ほどかかると思うので、それはそれでまたご苦労なことです。よほど頻繁に、休みなく稼働させないと採算がとれないのではないでしょうか。