鑿箱(のみばこ)です。長年使っている木工のもっとも基本的な道具ながら、漢字は難しすぎてまったく書けません。それはともかく、ふだん使用している11本のノミ用に木箱を作りました。42mm(1寸4分)〜1.5mm(5厘)までのサイズです。
これまでは購入したときの紙箱+発泡スチロールのパッケージそのままだったのですが、だいぶくたびれてきて見栄えがよくないのと、もっとも大事な刃先の保護が心配になってきたので、専用の箱を無垢材で作ることにしました。材料は建具やチェストの抽斗内部などによく用いているスプルス柾目板です。北米産の針葉樹ですね。37mm厚の板を3つまたは4つにバンドソーで挽き割って、仕上がり厚さ8.5mmと5mmの薄板にしています。
それぞれの柄の部分と刃の部分とを、他と接触せずにしっかりと保持できるように実物に合わせてホルダー部分をこしらえています。このパーツはクルミです。蓋は実にすっぽりかぶさる式にしたので、ひっくり返して現場などで作業用浅箱として用いることもできます。
蓋にはバーニングペン(電熱式の小型焼きごて)で名前やノミのサイズなどを記入し、汚れにくいようにウレタン塗装をしました。長年の懸案がこれでひとつ解決しました。