巣立鳥崖下に波の渦巻けり
鳥海山にはイヌワシが棲んでいる。大型の猛禽類で、食物連鎖の中では頂点に位置する動物であるものの、鳥海山の場合は無事に巣立つことができた割合は平均2年に1回、つまり50%くらい(全国的にはさらにその半分程度)だ。最大級のワシでさえそうなのだから、自然界で子育てをするのはなかなか厳しいといえよう。絶滅危惧種である。/猛禽類は獲物を効率的にとらえるために、よく見える目と鋭いくちばしと爪と頑丈な足を持っている。体長は75〜85cm、翼開長175〜200cm、体重3〜5kgというが、羽を広げると畳1枚くらいの大きさはあるわけで、「人の赤ん坊をさらっていった」などという話も、さもありなんという気がする。人間はともかくとしても、実際のところヤマドリやウサギ・キツネ・テン・ヘビといった動物を捕獲する。
飛魚とんで水平線の裏を見ゆ
トビウオのことをこのあたりでは「アゴ」と呼んでいる。山形県唯一の島は、その名も飛島(とびしま)というのだが、10年ばかり前に一度だけ渡航したことがあり、そのときも海面をアゴがぱらぱらと飛んでいたように思う。飛島周辺ではアゴがたくさん獲れ、焼いてから天日で干しあげた「アゴの焼干」は島の特産品であり名物となっている。出しがよく出るので、酒田市近辺のラーメン店や和食の店では広く使われているようである。/トビウオの仲間は世界では50種、日本近海でも30種近いというが、マグロ等の大型の魚種からの補食をのがれるために(異論もある)海面近くの空中を猛スピードでグライダーのように飛行する。その速度は時速50〜70kmにも達するという。また飛行距離も大型のトビウオになるとなんと600mにもなるというから、じつにたいしたものだ。
にんげんの着ぐるみをきて極暑
猫を2匹飼っているが、真夏は「そんな毛皮を着てだいじょうぶか?」と思わず口にしてしまうほど暑そうである。もちろん夏毛と冬毛があって入れ替わるのだが、年1回だけなので、人間が服を着たり脱いだりするような小回りはきかない。猫は春先に盛大に毛が抜けて、冬期にくらべればだいぶ薄く短くはなるものの、それでも盛夏の時分はものすごく暑苦しそうだ。すこしでも涼しいところを求めて、寝るときもあちらこちら移動している。/そういえば怪獣や動物やロボットなどの着ぐるみをきている人はその暑さ対策をどうしているのだろうか?宇宙服のような超小型のエアコンは、まさか装備されてないよね。