マキタの充電式のマルチツールTM41Dという機械です。一見したところディスクグラインダー、またはアングルドリルのような形ですが、そうした機械とマルチツールの最大の違いは、稼働する軸が回転ではなく、左右に細かく振動することです。左右にそれぞれ1.6度、毎分6000〜20000回という超高速で振れます。
写真では非鉄金属&木材の切断用の先端工具を装着しています。ギザギザの刃が付いているのは先のほうの3cmくらいの短辺だけなので、材面に刃の腹を置いた姿勢で、材面より飛び出た管やダボなどを材面すれすれでカットすることができます。あるいは、刃を材料にじかに垂直に立てて食い込ませ、四角い穴を開けるなどという芸当も。全周に鋭い刃の付いた鋸刃などが回転するタイプではないので、比較的安全に作業できるという利点もあります。
刃は金属・木・FRP・タイル・モルタル・ゴムなど、さまざまな材料に応じたものがあり、また切断だけでなく剝がしたり削ったりするための刃もあります。カタログをみると36種類も載っていました。ただ、特許かなにかが関係しているのか小さな刃なのに2000〜6000円ほどします。作りからみても再研磨は不可能と思うので、どの程度の耐久性があるのか、コストパフォーマンス的にはどうなのかといったことははまだわかりません。先日、コーススレッドの頭をかくすために打ち込んだ木製ダボをカットするにはたいへん便利でしたが。工具なしで刃を脱着できる仕組みや、超高速振動する機構のためか、機体はマキタの汎用充電池BL1430を含めると2.1kgとけっこう重いです。2枚目の写真でもわかるようにちょっとごついくらいに頑丈です。
おかしいのはマルチツールという名称で、たしかに切断や研削や剥離など、これ1台でいろいろな、かつこれまでは困難だった作業や加工ができることと、最近になって登場してきた後発の機械なので、そうとしか名付けようがなかったのでしょう。昨年の建築リフォーム工事のおりに大工さんが使っていて具合がよさそうだったので、私も真似てみたのですが、向こうのは ボッシュの製品でややちゃちな感がなきしにもあらず。ということでマキタの最新の機種を選択しました。