サンディングペーパーの怪

写真は3M(スリーエム)社製のサンディングペーパー「トライエムアイト」100枚入りの容器ですが、どちらも粒度240番と同じものです。左は以前のパッケージで、右は現行のパッケージですが、デザインが違うだけでなくじつは中身も違っているということが最近分かりました。

昨年だったか、手持ちの240番がなくなってしまったので、いつもの塗料販売店に行って購入したのが左の緑色のパッケージのものです。工房に帰って中のサンディングペーパーを取り出してみると、どうも今までのものとようすが違っています。木粉などが目詰まりしにくいように研磨粒をさざ波状に塗布しているのですが(オープンコートといいます)、そのむら具合がかなり少なくなって、ちょっと見た目には均一にコートされた(クローズドコート)ペーパーのように思ってしまうほどです。ベースの紙も厚く硬くなっています。

実際使ってみるとどうも具合がいまひとつぱっとしない。紙がごわごわしているのでアテゴムにセットしにくいし、研磨はできているようなのですがやや目詰まり感がある。ペーパーの摩耗の度合いもすこし分かりづらい……。しかしわざわざ性能を落とすなどということは考えられませんので「まあそんなものか」と半ばあきらめ気分で使っていました。

しかしこれはひょっとして同じメーカーの同じ粒度のペーパーであっても、タイプの違いがあるのかもしれない。というのは粒度の表示が「240A」と並んで「426U」とも書いてあるからです。それで前に取り寄せてもらった塗料の代金の支払いがてらお店に行って、あらためて「空とぎの240番をください」と言って出てきたのが写真の右の品です。

さっそく中を開いてみたところ、以前に使用していたものとほぼ同じペーパーが入っていました。コートの塗布の感じも同じようだし、ベースの紙も薄く柔らかく感じます。これで一安心と思いしばらく眺めていたら、店のエライさんが「じつは使いにくいということでクレームがたくさんあって今のに変わったです」と言うではありませんか。「えっ、そうなの」と驚きました。なんだ、変だなと思っていたのはう私だけでなかったんだ。

工房に戻ってから、緑色のパッケージに入っているペーパーと、買ってきたばかりの現行のパッケージのものと並べて写真にとってみました。右側が現在のものです。明らかに違いますよね。

空研ぎのサンディングペーパーという、もう完全に「成熟商品」といっていい工業製品で、しかもメーカーは天下の3Mです。それにこんなとんでもないチョンボがあったのです。

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