金象印スコップ

連日の雪かきであらためてその真価を認識したのが写真のスコップです。いわゆるカクスコで全長970mm、先幅255mm、肩幅230mm、頭部(刃)長さ300mm、重量は2.0kg。金象印というブランドで浅香工業の製品ですが、もう15年くらい使っています。塗装はあちこちはげていますし刃先もいくらかちびていますが、どこもガタはきていません。当時、金物店の店主が「金象印がいちばん。でも丈夫すぎて次が売れないのが困る」と苦笑いしていたのを思い出します。値段は3000円くらいだったと思います。

スコップはまず真っ先に消耗するのが柄の木製部分で、刃や握りなどの金属と接するところが痛んでくることが多いです。木は言うまでもなく水湿には弱いので、むき出しになっている部分はともかく金属で包まれた部分は湿気や汚れがいつまでも抜けないために腐ってきたりします。その点、写真のスコップは全体がスチールで一体的にできている(溶接されている)ので、そうした心配はありません。

刃は焼き入れと焼き戻しの熱処理がされた鉄で、硬い氷をがしがし突いてもびくともしません。柄は単なる円形ではなく手が滑りにくいようにバルジ加工でパイプの一部膨らませており、8本の筋が刻んであります。スチールだからさびは多少とも出ますが、使わないときにはできるだけ乾燥状態にして保管しておけば表面がすこしさびるだけです。ぼろぼろにもろくなってしまうことはありません。

メーカーの浅香工業は1893年に日本で初めてスコップ・ショベルの国産に成功した会社だそうで、この分野ではトップメーカーといっていいようです。一見したところ単純な道具のようでいて、じつはかなり製造技術・ノウハウが必要な道具なのでしょう。ブランドネームの金象印もへたな外国語などより今となってはかえって格好がいいですね。力持ちの象さん、という好ましいイメージがあります。

浅香工業のHPをのぞいてみると、スコップ・ショベルだけでも68種類もの製品が並んでいました。通常のケンスコやカクスコのほかに幅の狭いものや穴があいたもの、柄がステンレスでできたもの、柄と刃が折り畳めるものなど、興味深いものがたくさん。ちょっと余裕が出たら何か注文してみたいと思います。それかまたの大雪にそなえてカクスコの予備品を確保しておいたほうがいいでしょうかね。

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