松の文机 2卓

 

DSCN4374_2

 

DSCN4381_2

 

先日来製作を続けていた、お客様のお父上が若い頃住まわれていた建築の解体材を再利用した文机(ふづくえ)2卓です。材料はマツで、いわゆる地松といわれる黒松か赤松あたりかと思います。梁材だったので太鼓状の形の断面だったのですが、100年以上経過して煤で真っ黒くなり、亀裂もかなり生じていましたし、ホゾなどの穴もあちこちにあります。虫食い穴もすこし。したがってはじめから長尺の材料は取れないということで、同時に製作をすすめている戸棚と同様にサイズ的にはだいぶん小ぶりな家具です。

完成した文机は幅620mm奥行435mm高さ320mm。甲板は3枚矧ぎ合わせです。無節の材料は取れなかったので、目立つ生節をどう配置するか、けっこう悩みました。甲板をはじめとして脚や幕板も基本的に同じ部材は同じ梁から木取するようにし、2卓に「おそろい」感が出るようにしました。脚部はすべて節のない材料です。

下のほうの写真は文机を部分的にアップしたものですが、木目は柾目できれいにそろっています。左側のふたつのホゾ頭は甲板を受ける根太の先端ですが、これは見た目のアクセントを兼ねているもの。右方に見える脚はカーブしているように見えますが、レンズの具合でそう見えるだけで、実際はストレートで垂直な脚です。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA