初蝶に光をあたえ空あたえ
平地ではすっかり雪も消え、晴れさえすればかなり暖かい日が多くなってきた。室内でももう少しすれば暖房をしないでも朝晩を過ごせるようになるだろう。野の花もいろいろ咲き始めるが、やがて蝶がとび交うようになる。たとえばモンシロチョウやモンキチョウなどであるが、すこし山あいに行けばギフチョウやヤマキチョウ、スジグロシロチョウ、ウスバシロチョウなどにも出会えることがある。/日本には約270種ほどの蝶が生息しているという説もあるが(亜種や迷蝶も含む?)、俳句ではモンシロチョウ等の小型の蝶は春の季語とされ、アゲハ類の大型の蝶は夏の蝶とされている。それ以外の季節、秋と冬は「秋の蝶」「冬の蝶」と十把一絡げという具合で、かなりいいかげんである。
春夕べ百獣の王が叱られている
年に2回くらいは家族で動物園に出かけている。比較的近くて大きな動物園というと秋田市の大森山動物園ということになるのだが、それでも車で正味2時間はかかるので、お弁当も持参しての一日仕事ではある。ゆるやかな起伏のある園内をずっと歩いて回るので、真夏はちょっときびしく、春や秋のおだやかな陽気の頃がいい。大森山動物園は高校生以下はなんと無料という大判振る舞いを昨年から実施しているし(大人は720円)、午後1:30〜2:15の「なかよしタイム」ではウサギやヒヨコやモルモットなどにさわることができる。昨秋は比内地鶏の生後1週間のヒヨコを手に受けて、妻も大喜び。特別イベントの「動物ふれあいフェスティバル」のときには、私も生まれてはじめて蛇(アオダイショウ)を手に持った。おすすめ。
種袋全開の花ばかりなり
植物の種、とりわけ花卉類の種子の場合は、市販の種袋には花が完全に開き切った状態の様子がカラー印刷できらびやかに描かれてあることがふつうである。とうぜんといえばそれはとうぜんではあるのだが、全開ということは盛りの頂点であって、あとは衰退するばかり。一抹の淋しさを漂わせてもいる。しかし花は花芽の段階から蕾へ、そしてそれがしだいに膨らんで大きくなり形も色も変えていく過程もたいへん興味深い。一例をあげるならばシクラメンという非常にありふれた花でさえ、雨傘のように硬く巻かれてある花びらが徐々にほぐれてゆくさまは、私は開き切った花以上にたいへん美しいと思う。