うすうすと寒そうに鶯餅
この前、地元の産直販売店に並んでいた桜餅と鶯餅を買って食べた。たいへんおいしかったが、ちょっとね気がはやすぎるんではないかと思った。まだ3月上旬だよ。桜が咲くにはまだ2ヶ月ほど間があるし、鶯だってまださえずってはいない。季節をすこしだけ先取りして味わうというふれこみはわからないではないが、それにも限度というものがあるだろう。/ウグイスはその鳴声などからたいへん有名な鳥ではあるものの、よくほかの鳥と間違われることがある。「梅に鶯」とある絵や写真なのに、じつはその鳥がウグイスではなくメジロであることも。メジロはその名の通り目の周りが白い輪になっており、また体色も鶯餅にまぶしたきな粉のような黄緑色。そのために鶯色というと本来のウグイスの体色=鈍い淡黄褐色ではなく、メジロの体色=きな粉の色と思っている人も珍しくはない。
歴代のリカちゃんもいて雛祭
実家でも現在のわが家でも雛祭りにはほとんど縁がないが、親戚や知人などで娘さんがおられる家庭だとなにかしら雛祭りにちなんだものを玄関や客間などに置いてあることが多い。伝統的な立派な雛飾りをすえているところもあれば、男雛女雛のふたつだけを象徴的に飾っていることもある。おおがかりな雛飾りであっても他家に披瀝することをとくには想定していない場合は、飾り付けを自由に思い思いに行っていることも。要するにその家の女の子が主役なので、その子が飾りたいなと思ったものを好き勝手に飾ればいいのである。/リカちゃんはタカラトミー社の着せ替え人形で、1967年の発売以来日本製の同類の人形のトップに君臨している。現在のリカちゃんは5代目のようで、キャラクター設定によれば小学校5年生・11歳・父がフランス人母が日本人のハーフ・5月3日生まれ・身長142cm・体重34kg・趣味はお菓子作りとか。ペットにプリン・レモン・ライムという犬がいるが、残念ながら猫はいないようだ。
無色透明の水がながれ春の泥
泥は主に砂・粘土・シルト・コロイドやその他の有機物が、水と混じって液状または乾いた土のようになったものである。泥というとつい「汚れる」「きたない」とばかりイメージされがちであるが、腐敗物や有毒物質が混入しているのでもないかぎりは実際には無害であるし、みかたによってはたいへん美しいものであるといえる。大人とちがってよけいな先入観がない小さな子どもたちは泥んこが大好きである。ぬるりとした感触や、すこし冷たい感じや、含水率がわりあい少ない泥であればいろいろな形に自由に作れるなど、遊びの道具としては泥の右に出るものはそうはないだろう。